新型インプレッサ・プロトタイプに試乗。車格超えの走りと質感
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:篠原 晃一
肝心の走りは、もう解るだろうが当然として進化している。まずボディは体感として強靭でありガッチリしている。2.5トンのSUVを時速90kmで斜めから衝突させる次世代の衝突試験も考慮して造られた効果も含めて、ボディの横曲げ剛性で90%、ねじり剛性で70%。それだけでなくハンドリングを左右するサスペンションだけをみても、フロントのサスペンション支持を含めた横剛性で70%、リアはサブフレーム支持を含めて100%も向上。もう、この数字を見ただけでどんな走りかは想像できてくるのではないだろうか。
そう、乗り味はまず走行振動が抑えられたしっとり系。サイクルスポーツセンターは、路面の凹凸が少なくとっても綺麗なこともあるが、無駄なところが動かずに上質に走る印象で、この世界観は兄貴分のモデルを喰う車格超えのレベル。気になるのはタイヤが発生する音くらい。それを踏まえると、試乗車には17インチと18インチが用意されていたが、18インチの発生音はコーッという高周波帯で、17インチはゴーッという低周波帯。この評価は好みで分かれるはず。
次にハンドル操作の素直さとダイレクト感は見事だ。ハンドル周りのパーツの取り付け剛性の高さも寄与するのだろうが、前述した各部の無駄な振動が無いことも相まって、タイヤが路面を噛んでいる感覚が鮮明にわかるので安心感がとても高い。しかもフロントタイヤの駆動がハンドルの手応えに与える影響がとても少なく、絶えずスッキリしているのも好印象。
マニアックな視点を入れると、旋回時の車体の傾きを防ぐリアのスタビライザーをボディ直付けにした効果が大きい。リアサスペンションのサブフレームをボディに取り付ける部位のゴムブッシュは、どのモデルでも大型でグニュとしたゴム感を出しやすい。そのグニュ感を低減しつつ、さらには追い込んだような走りを含め、どのようなハンドルの切り込み速度にもダイレクトで素直な反応をドライバーに与える大きな役割を担っているのがリアスタビライザーのボディ直付だと直感。もちろんボディがしっかりしているから、そのような変更の効果が的確に出るのも見逃せないが、工場の生産工程を踏まえると、乗り味を求めてとっても面倒な作りを採用した作り手側の努力分野だ。
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