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レンジローバー・スポーツ ニュル8分台の走り

レンジローバーに足りないもの

「今もっともセレブな高級車は何か」と聞かれたら「レンジローバー」(ヴォーグ&オートバイオグラフィ)と答えたい。一方で、英国のセレブが乗るレンジローバーこそ元祖SUVと巷では言われていることに関して、私は反対だ。そもそもSUVとは「スポーツ・ユーティリティ・ビークル」が語源であり、カリフォルニアの若者がピックアップトラックにサーフボードを載せて遊ぶライフスタイルが由来だ。「アドレナリンで青春を楽しむ」というアメリカの若者が考えたクルマ文化だったのだ。だから、後輪駆動のピックアップトラックがSUVのルーツである。

英国で生まれたランドローバーは道なき道を走破するオフロードが本籍。そのDNAを持ちながらも皇室御用達に使える高級車として生まれたのがレンジローバーだ。そこにはアドレナリンも、サーフボードとピックアップトラックのイメージも微塵もない。

レンジローバーに足りないモノがあるとしたら、それはオンロードのダイナミクスとスポーツ性能だろう。そこで、ポルシェ カイエンやBMW X5の人気を横目に2005年にレンジローバーをベースにして開発されたのが初代「レンジローバースポーツ」だ。レンジローバーシリーズのエントリーモデルである「イヴォーク」とレンジローバーの間にラインアップされるが、ハードウェアは長男のレンジローバーと同じアルミボディを持つ。

「新型レンジローバー・スポーツ」のスリーサイズは全長4850x全幅1983x全高1780mmで、初代モデルよりも全長で約60mm長く、全幅で約55mm幅広く、全高は約10mm低い。ホイールベースは175mm伸びたが、重量は240kgも軽くなった(V6比)。アルミボディの効果は絶大だが、果たしてポルシェやBMWとどう違うのか。レンジローバー・スポーツの英国試乗会をレポートする。

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