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アヴェンタドールに試乗 カーボンボディと新V12

主役はあくまで後輪にあり

ドライブセレクトモードを最もスポーティなコルサに設定すると、シフトチェンジのタイミングは完全に戦闘状態に入る。ナマの700psを間髪入れずに容赦なく叩き込む、その衝撃はさながらドグミッションでも扱っているかのようだ。今まで洗練された一面ばかりが強く映っていただけに、その豹変降りに驚かされるが、これこそがランボルギーニの求める真のスーパースポーツの姿なのだろう。それゆえに、高負荷耐久性の強いシングルクラッチ式シーケンシャルに拘り続けているのだ。そう思うと変速の度に後方からダイレクトに襲ってくるパワーの塊を感じること自体が嬉しくもなる。

と、こんな素人風情が700psを容赦なく踏んづけても、車輌が挙動を乱さないのは下地に優れた4WDシステムが用意されているからでもある。が、その作動感は努めてナチュラル。たとえばGT-Rのように、ありったけのパワーを寸分漏らさず路面に伝えて、身をよじらせるようにコーナーの前に前にと進んでいくような感覚で四駆が働くわけではない。あくまで主役は後軸側にあり、その図太いタイヤが根を上げそうな状況になったところで、じわりと前輪の作動が介入する。実際のところ、700psもあれば後輪を空転させることなど造作もないが、それを手下に収めているような気にさせながら、こっそり助け船を出している、そんな感覚だ。考え方としてはムルシェラゴの時代と変わらずとも、その制御は格段に巧みになった。個人的には先に触れたフェラーリFFが、仕組みは違えど同じような味付けがなされていたことが興味深い。彼らのクルマ作りの根底には、やはり二輪駆動での運動性というのが最上位にあるのだろう。

そんなものだから、アヴェンタドールは四駆でありながらタイトなコーナリングも不得手にしていない。が、やはり圧巻なのは中高速域での振る舞いだ。ムルシェラゴまでの世代に比べるとあり得ないほど挙動は安定していながら、その背中には12気筒ユニットを背負っているというマス感をドライバーに要所要所で伝えてくる。恐らくは程よい緊張感もランボルギーニの味のひとつであると、そういう考えの基に敢えてそうしたという側面もあるのだろう。

そんなクルマと対峙しながらの、尋常ではない速度を保ちながら曲がるコーナーリング。それを、他にはない視界や着座位置で経験できる。そのエキゾチックさは今まで、億の値を伺うような少量限定のリミテッドモデルでしか味わえなかったものだ。そう考えると、このクルマの4000万円強は安いとすら思えてくる。

恐らくは世の自動車像となにが何でも一線を画し続けるこのスタイリングと、宇宙の穴に吸い込まれるかのように発せられる700psの異様な魔力とに、自分が麻痺させられているだけなのだ。そう思いながらも一方では見事に舞い踊らされている自分がいる。

クルマをして、これほどの夢をみせてくれるのは今、アヴェンタドールをおいて他にない。その夢を継続的なものにするために、大して儲かりもしない12気筒のソリューションを、彼らは全て刷新してくれたのだ。今後もランボルギーニは、我々の憧れで居続けてくれる。アヴェンタドールはそれを確信させる、まごうかたなきスーパーカーだった。

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