現行ゴルフGTI最後の特別仕様車TCRは、レースレプリカ風ながら、走りは熟成されたGTIの完成形
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office
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試乗会に現れたTCRの外観は基本的には「ゴルフ GTI」でフロントスポイラーの形状がシャープになり、存在感のあるリアディフューザー、さらにワイドになったサイドシル、ブラックのリアライト、2本のステンレス製マフラー、専用デザインの19インチ軽合金ホイールとTCRスポイラーの他に、フロントドアを開けると路面にTCRのロゴが投影される。
一方、コクピットはノーマルGTIと同じ表示をもつデジタルのアクティブインフォディスプレイだが、スポーツシートには新素材のマイクロファイバー使った生地が採用されている。またステアリングホイールは通気性とグリップを高めるために細かな孔の空いたレザー製で、センター位置に赤いマークが入っている。
また、GTIの伝統に従ってシートをはじめ、シフトノブやアームレストなどの合わせ目は赤いステッチで仕上げられている。
パワートレーンはGTIから受け継いだ2.0L 4気筒ターボで最高出力は290ps、最大トルクは1600~4300rpmの広い範囲で370Nmを発生する。組み合わされるのは7速DSG(デュアルクラッチトランスミッション)である。
まずは公道上へ乗り出したが、そのパワーは数字以上に印象的で、スロットルペダルのわずかな踏み込みで文字通り胸のすくような加速を開始する。
0-100km/hに達するまでの加速所要時間は5.6秒で、310psのエンジンを搭載していた「クラブスポーツ」よりも0.2秒速い。これは前述した最新の7速DSGのソフトウエアがアップデートされ、 各ギアのシフトタイムが向上した結果である。最高速度は250km/hでリミッター制御されるが、3200ユーロ(約40万円)のオプションで19インチホイールと後輪用のスポーツダンパーを装着すると、260km/hまで引き上げられる。
TCRにはエコ、ノーマル、スポーツ、インディビジュアルの4つのドライブプログラムが用意されており、一般道路ではエコあるいはノーマルで快適なツーリングを楽しむことができた。
今回の試乗会では、ポルトガル・ファロ近郊のサーキット「アウトドローモ・アルガルベ」でのスポーツ走行も含まれていた。約4.7km、18のコーナーからなる二輪用サーキットに持ち込んでみると、タイトなコーナーでパワフルな前輪駆動ゆえのトランクション性能が気になったが、電子制御のデフロックが効果的に効いて、コーナーからの立ち上がりもスムーズ。こうしたシーンでは、ダイレクトでプログレッシブなステアリングに助けられてオンザレール感覚で脱出を可能にしてくれたのが印象的であった。ドリルドディスクブレーキの耐フェード性も高く、5周のスポーツ走行におけるフルブレーキの連続でも制動能力は全く根をあげなかった。
実は「TCR」というモデル名を聞いて265ps(オーバーブースト時は290ps)のクラブスポーツを超えるもっと過激なオンロードレーサーかと思ったのだが、実際は熟成されたゴルフVIIベースのGTIというのが、このGTI TCRの印象であった。実用性を損なわない「スポーツグランドツーリング」というのがゴルフGTIの哲学であり、それが幅広い支持や長寿を保っている秘訣なのかもしれない。
ドイツでは3万8950ユーロ(19%の付加価値税込みで約490万円)~ですでに注文可能である。限定生産ではないカタログモデルで日本でも販売可能だが、執筆時点ではまだ正式な情報は届いていない。
※記事内容は取材記者が独自に入手した非公式の情報に基づいている場合があります。
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