これぞボルボ新二刀流 Rデザイン&DRIVe
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:菊池 貴之
一方、今回の試乗で感動したのは実はV70 DRIVeの方。これは新しい低燃費ユニットの直噴1.6リッター直4ターボと6速デュアルクラッチを組み合わた新型エコ仕様で、ボディは伝統のワゴン、V70。でも最近、V60やS60に乗ることが多かったからちょっと味を忘れてたんだよね。でも乗ったとたん、一発で思い出してしまった。「ああ、これがボルボの味だ」と。
まず座ったとたんに気づくのがシートの包容力。柔らかくて、包まれ感が違う。実際、サイズもデカい。インテリアだが、全面直線基調で、最新の60系ほどアートな造形ではないけど、こちらはこちらで素材に気を使ってるからみすぼらしさは皆無。とくにシフトレバーのアルミ調パネルのセンスの良さったらない。
そしてなんといっても走りだ。とにかく底が分厚いというか、乗り心地がよく、走っているだけで癒される。すべての反応が60系と比べると一歩遅れで、ダイレクト感はないけど、それがまた安心に繋がる。さらにエンジンだけど、一瞬デカくて重いV70に、1.6リッターじゃ荷が重い? と思わせといて全然そうじゃない。パワーは180psと大したことないが、トルクは24.5kg-mとなかなかに強大なヤツをわずか1600rpmから発揮するからちょうどいい。優しく大らかなV70には逆にピッタリなパワーユニットだ。オマケに燃費もメーター読みだが、高速一定走行ならばリッター14km前後はいきそう。
またステアリングフィールもエンジン本体が軽いためか、ノーズが軽く、意外にもクイクイ曲がっていく。ホント、60系とは別にこれはこれで別世界の進化を遂げているのだ。なんというか例えば都会に住んでいたとして、タマに田舎の実家に帰って、ちょっと伸び気味のお袋のうどんとか食べたとするじゃない。あるいは、オシャレじゃないけどココロを許せる旧友と再会する。ああいう感じよ。とにかく全体に余裕があって懐が深くて、安心できる。そんな懐かしの味がV70にはあり、しかもDRIVeはその安心感がさらに深まってる。
一方でS60やV60みたくスポーティ方向で進化しているボルボがあり、一方で昔の味わいを深めつつあるボルボがある。どちらも止まらず両方進化しているのが素晴らしく、だからこそビックリした"新二刀流"ってわけ。しかし、2つの世界を持ち始めた新生ボルボ。コレはコレで迷っちゃうよね(笑)
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