Eクラスのベーシック E300セダンをドライブ
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:齋藤 正、菊池 貴之
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では、日本において現状最もベーシックなEクラスであるE300とはどういうクルマか。ベーシックモデルとはいえ、ボディは他のモデルと変わらないから、そのサイズは全長4870×全幅1855×全高1470mm、ホイールベース2875mmという堂々たるもので、もちろんスタイリングの基本も上級モデルと変わらない。ただし、この大柄なボディに対して225/55R16という実用的なサイズのタイアを標準で履いているため、足元が若干貧弱に見える、というよりボディが相対的に大きく見えるところが、エクステリアにおけるベーシックモデルらしさといえるかもしれない。ちなみに同じE300でもアバンギャルドになるとタイアは245/45R17が標準になって、エクステリアの印象はそれなりに変化する。
室内に収まるとそこは完璧なメルセデスワールド、といっても昔のモデルほどメルセデスらしさは鮮烈ではないが、ダッシュボードやメーターやコンソールの造作、それにシートの形状とその座り心地などに、他のドイツブランドのクルマとは異なる独自の世界を感じさせる。リアシートのバックレストが全モデル分割可倒式で、トランクスルーになっているのも、実質を重んじるメルセデスのセダンらしい。シートといえば、E300の標準はファブリック張りで、Eクラスのイメージからするとやや寂しい印象なきにしもあらずだが、そこはメーカーもユーザーの心理を理解しているようで、ブラック、濃い目のベージュ、明るいグレーの3色のレザーシートが、31.5万円のオプションで用意されている。
一方、同じE300でも50万円高いアバンギャルドはレザーシートが標準になるなど、価格設定も含めて違いは微妙なところだが、もうひとつインテリアにおける素のE300とアバンギャルドの違いは、ウッドパネルにある。素のE300がナチュラルな印象の茶色のウォールナットウッドを備えているのに対して、アバンギャルドは黒系のブラックアッシュウッドが標準になる。ウッドパネルはオプションでも変更不可能なので、このあたりの好みで素かアバンギャルドかを選定するというのもアリではないかと思う。ちなみに僕自身は、ウッドパネルはナチュラル系が好みなので、ウォールナットを選びたいところだ。
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