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新型911パッケージ論 ホイールベースの謎?

ロングホイールベースの理由

まずはPDKの変速が早くなる「SPORT」を選択したが、ダンパーはPASMのノーマルで走った。加速は素晴らしい。あっという間に150km/hに達するではないか。ブレーキも文句ない。つぎは中速コーナーのS字だ。100km/h前後で攻めると、意外にもアンダーステアが少し目立った。ロングホイールベースは確実に安定性を高めている。

2ラップ目を走った時にサスペンションも「ハード」にセット。前後のロール剛性を可変する機構がついているので、ロールはほとんど感じられない。全体的には車体全体がシャキッとした印象だ。ステアリングを切り込むが遅れることなくノーズはインを向く。997の切れ味は健在だった。

ポルシェのスタッフに内緒でPSMをオフにしてドリフトショットをカメラマンに撮ってもらう作戦にでたが、ロングホイールベースが効いており、タックインはとても少ない。実は後で分かったことだが、997型もこの新型991型も、ドライバーとエンジンの位置関係はほとんど変わっていないのであった。

新型911は久しぶりにボディに大きな変更が加えられたが、その内容はホイールベースが100mm、全長が56mm伸びたというもの。このロングホイールベース化が新型911の話題に拍車をかけている。それでは具体的にどうホイールベースが伸びたのか、ポルシェのエンジニアに聞いてみた。

その答えは意外なものであった。ドライバーの位置を中心にフロントタイヤは30mm前方に、リヤは70mm後方にタイヤの位置が変わったのだ。ホイールベースを伸ばした理由は幾つあるが、もっとも納得できた理由はドライバー(人間)の身長が伸びているからというものであった。その結果、ドライバー席とスロットルペダルは25mmも長くなっている。さらにフロントオーバーハングを小さくできたので、ノーズを地面に打ちつけるケースは激減し、実際にホテルの駐車場からでるときの段差も気にならなかった。ロングホイールベース化はフェラーリF355から360の時と同じように高速安定性(高速コーナー)を高めるメリットもあるし、エンジンコンパートメントにできたスペースをハイブリッドなどに利用できる可能性もあると思う。

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