ボクスタースパイダー! コイツは想像以上に・・・
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:ポルシェジャパン
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:ポルシェジャパン
つまりボクスタースパイダーというクルマ、単にクラシックなスタイリングがウリのボクスターではなく、その実態はボクスターの硬派な側面を抽出した、真のドライビング好きのためのモデルなのだった。だからこそ、ソフトトップはドライバー自らが脱着する簡素なものになり、標準ではエアコンも備わっておらず、しかもトランスミッションはMT意外考えられないという硬派な雰囲気を、濃厚に発散しているわけだ。
それゆえに、酸いも甘いも噛み分けた人生経験豊かな男たちや女たちが、このスパルタンなボクスターに少なからぬ興味を示しているらしい。つまりボクスタースパイダーは、適度に速くて適度にファンで適度に快適なクルマにはもう飽きたという、年期の入ったスポーツカーエンスージアストの気持ちを鷲づかみにする可能性が、極めて高いクルマだといえる。ヴァイザッハの熱血エンジニアたちがそこまで読み切ってこのクルマを生み出したとしたら、ポルシェはこれからもスポーツカー好きの心をつかみ続けるに違いない。
そうそう、手動の幌は慣れれば5分ほどで装着が可能だろうと思われるし、夏も快適に乗りたいのであれば、オプションでエアコンを装着するという手もアリだと僕は思う。なにせエアコンの重量は13kgに過ぎないというから、このクルマの魅力を大きくスポイルすることはないと思われるからだ。とはいえ、エアコンなどという軟弱なものは要らないという硬派な人物がいたら、その心意気、僕は大いに買いたいと思う。
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