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ボクスタースパイダー! コイツは想像以上に・・・

最大の魅力は絶妙なコーナリング

そのように、ボクスタースパイダーは直線を加速するだけでも爽快な気分になれるクルマだが、テストルートの後半にあるタイトなコーナーが続くワインディングロードに入ったところで、こいつはその最大の魅力を見せつけてくれた。コーナーを駆け抜ける際の身のこなし、すなわちハンドリングが、素晴らしいのである。

ボクスタースパイダーのサスペンションは、スプリング、ダンパー、スタビライザーが独自セッティングの専用品に替わり、車高がボクスターSより20mm低められる他、トレッドも4mmワイドになり、試乗車は19インチのBSポテンザRE050Aを履いていた。その結果、低速での乗り心地が少々硬いというネガが生じたが、ボディが半端でない剛性を持っているために、脚が硬いわりに乗り心地が荒々しくないのが好ましい。

その一方でこの専用シャシーは、ボクスターとしてはかつてないほどシャープで、しかも安定した、絶妙なハンドリングをもたらした。例によって繊細なタッチのステアリングを切り込むと、ボクスタースパイダーはロールを最小限に保ったフラットな姿勢でコーナーに飛び込み、並みのミドエンジンカーにありがちなアンダーステアを感じさせることなく、ドライバーの意図したとおりのラインを描いてコーナーを抜けていく。いわゆるニュートラルステア、あるいはオン・ザ・レールと表現できる、ほとんど理想的なコーナリングを披露してくれるのである。しかもそこには駆動系に与えられたLSDも効果を発揮しているはずで、コーナーを攻めれば攻めるほど、その素晴らしさを鮮烈に実感できる。

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