ノートが電動車販売で1位に! 躍進の裏に日産の“したたかな納期戦略”があった
掲載 carview! 文:ピーコックブルー 101
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2022年の新車販売台数ランキングのトップ3を見ると、トヨタ「ヤリス」、トヨタ「カローラ」、日産「ノート」という顔ぶれになっています。
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これらのラインナップのなかでも、ノートは前年比122.1%増の11万113台を記録しており、2021年に比べて大きく数字を伸ばしていることがわかります。
さらに詳しく見ると、ヤリスにはコンパクトSUVの「ヤリスクロス」やスポーツモデルの「GRヤリス」が、そしてカローラにはセダンだけでなく、ステーションワゴンの「カローラツーリング」やハッチバックの「カローラスポーツ」、SUVの「カローラクロス」に加え、スポーツモデルの「GRカローラ」までもが含まれており、言うなれば「合わせ技」での上位獲得となっています。
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「合わせ技」でユーザーニーズにきめ細かく対応するトヨタの企業努力も評価されてしかるべきです。しかし、ノートの販売台数には「ノートオーラ」が含まれていますが、ノートオーラはあくまでノートの派生モデルであるため、ボディタイプが異なるモデルが含まれるヤリスやカローラとは事情が異なります。
また、ガソリン車とハイブリッド車が含まれるヤリスシリーズやカローラシリーズに対し、ノートはハイブリッド車のみの設定となっています。こうした結果を受け、日産の販売店では「2022年電動車販売台数No.1」という売り文句とともに、ノートを積極的に販売しています。
では、なぜノートはここにきて販売台数を伸ばしているのでしょうか。
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2005年に初代が登場したノートは、2012年に初のフルモデルチェンジを行い、2代目へと進化しました。発売直後から好調な売れ行きを見せていたノートですが、2016年のマイナーチェンジで日産独自のハイブリッドシステム「e-POWER」を搭載したグレードが追加されたことで、さらなるヒットを記録しました。
現行モデルとなる3代目ノートは、2020年11月に登場しています。このタイミングでガソリン車が廃止されて「e-POWER」専用車種となったノートですが、発売からおよそ1か月で月間販売目標台数の約2.5倍の受注を獲得するなど、順調な滑り出しを見せました。
2021年6月には、上級モデルのノートオーラが追加されています。コンパクトながら上級モデルと同等以上の装備が搭載されているノートオーラは、その独特のポジションがユーザーのニーズにマッチし、ノートシリーズの販売台数増加に貢献しています。
日産では、ノートとノートオーラの魅力を「システムを大幅に刷新しパワーアップした第2世代『e-POWER』や、スムーズで力強い加速、なめらかな減速制御、優れた静粛性」と分析しています。
そのうえで、2022年の電動車販売台数No.1となったことについて「『オーテック クロスオーバー』や『ノート オーラ NISMO」などを含めた幅広いラインアップや、その機能性からデザインに至るまで、クルマの持つ価値や魅力を多くのお客さまに高く評価いただいた結果」としています。
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ノート好調の背景には、日産の戦略が効果的に機能したという面もあるようです。ある業界関係者は次のように話します。
「日産では、ヤリスなどのライバルの長納期化が深刻なことを受けて、ノートの納期改善に努めたようです。その結果、半導体などの部品不足のなかでも、ノートは年間を通して2~3か月程度の納期を維持し、『比較的納期の早いモデル』というイメージを確立できたことが、販売台数増加の要因のひとつと考えられます」
実際、2023年現在でも2~3か月の納期と案内されているほか、グレードや仕様によっては即納できる場合もあるといいます。
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ノートのようなコンパクトカーは、ユーザーの生活に根ざしたものであることから、クルマ選びの際にも納期は非常に重要な要素となります。ノート躍進の背景には、そうしたユーザーニーズをしっかりと汲み取ることができたことが大きく関連しているようです。
ただ、日産はノートおよびノートオーラの価格を2023年5月より改定し、数万円程度の値上げをすることを明らかにしています。
>>日産、ノートシリーズを価格改定。3~5万円ほどの値上げ、5月発売分より
原材料費や物流費などの高騰を考えるとやむを得ないことではありますが、コストパフォーマンスが重視されるコンパクトカーにとって、値上げは致命傷となる可能性をはらんでいます。
値上げしてもなお好調を維持できるかどうか、2023年はノートの真価が問われる年と言えそうです。
写真:日産自動車、トヨタ自動車ログインしてコメントを書く
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