アウディTTS、発売迫る 吉田匠の海外試乗レポ!
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:アウディ ジャパン
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:アウディ ジャパン
外観は縦方向のリブにメッキ処理を加えたグリルとその左右のエアインテーク、およびリップスポイラー形状の違いで他のTTと識別可能なTTSだが、走ってみても他のモデルとはかなり違う。試乗したクーペとロードスターはいずれもSトロニック仕様だったが、大人しく踏み込む普通の加速では2.0TFSIとさほど変わらず滑らかにスピードを上げていくが、急加速を望んでスロットルを一気に深く踏み込むと、TTSユニットは一瞬の反応遅れを見せた後、今度は200ps仕様より明らかに鋭い勢いでトップエンドに向けて吹け上がっていく。このちょいピーキーな大径タービン過給エンジンのキャラクターが、高性能モデルたるTTの“らしさ”を演出している。しかもそのトップエンドの吹けの鋭さをツインクラッチのSトロニックが無駄なく生かして、トルクを瞬時に4輪に伝える。
そういったパワートレーンの熱気を、標準より車高が10mm低められたスポーツサスペンションと18インチの標準タイヤ、それにクワトロシステムが見事に支えて、TTSは適度なアンダーステアを保ってコーナーの連続を気持ちよく駆け抜けていく。標準装備のマグネティックライドダンパーが、硬めだけれどしなやかな乗り心地を実現しているのも好ましい。つまりTTS、刺激と快適が巧く同居したクルマに仕上がっているのだ。
さらに、クーペの後に乗ったTTSロードスターがまた爽快なクルマだった。クーペから乗り換えるとステアリングフィールなどに若干の違いを感じさせるが、ボディ剛性は充分。しかも、コクピット後方の電動ウインドディフレクターを立てて走れば、アウトバーンの200km/hクルージングもオープンのまま快適にこなしたのには驚いた。
というわけで、TTはスポーツカーと呼べるのか、という論議にもう終止符を打っていいんじゃないかと思うほど、TTSは刺激的でスポーティなクルマに仕上がっている。
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