この先もガソリン税は下がらない! そう断言できる最大の理由は日本の安全保障にある
掲載 carview! 75
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ただ、冒頭でも述べたとおり、今後ガソリン税が引き下げられることは絶対にないと断言することができます。
その最大にして唯一の理由は、日本が産油国ではないということにあります。
資源エネルギー庁の統計によれば、現在の日本は石油のほぼ全量にあたる99.7%を海外からの輸入に頼っており、さらにその90%近くを中東諸国から輸入しています。
一方、日本は世界有数の石油消費国でもあります。石油は日本のエネルギー供給のおよそ40%を占めており、石油なくして安定した国民生活は成し遂げられません。
戦後、政府や関連企業各社は石油の安定した確保に向けて奔走したことで、日本は非産油国であるにもかかわらず、いまでは全国各地でガソリンを手に入れることができる仕組みが構築されています。
しかし、石油のほぼ全量を輸入に頼っているなかで、もし中東諸国などの産油国で政変が起こったり、世界情勢の変化によって石油の安定供給が寸断されたりすることになれば、日本という国家そのものの存亡が危ぶまれてしまいます。
そのため、これまで政府はガソリンの使用をできるだけ抑えるような政策を進めてきました。ハイブリッド車や電気自動車などを推進しているのは、環境対策であると同時に、こうしたエネルギー安全保障に対するリスクヘッジという側面もあります。
こうした流れのなかで、ガソリンの撤廃や引き下げによって、恒久的にガソリンの消費量を増やしていくような政策が採られることはありえません。これは、日本が非産油国である限りやむを得ないことです。
たしかに、ガソリン価格の高騰は国民生活をおびやかすものではありますが、かといってガソリン価格の撤廃や引き下げをおこなってしまうと、文字通り国家存亡の危機を迎えてしまうことは明白です。
簡単に言えば、日本が石油を輸入している国々が「売らない」と言ってしまえば、日本は大混乱が巻き起こります。そうならないために、政府は緻密な外交によって産油国各国と良好な関係を構築してきましたが、非常に不安定な土台の上に成り立っていることは言うまでもありません。
もちろん、国家存亡の危機以前に、目の前の国民生活が困窮してしまっては元も子もありません。ただ、本当の意味で困窮している世帯に対しては、多くの自治体で給付金が用意されています。
そのうえで、政府は法改正の必要なくスピード感を持って対応するために、一時的な補助金という形でガソリン価格の抑制を図っています。
それでも、日本が非産油国であるという事実は変わりません。そのため、一時的な緩和措置を別とすれば、今後ガソリン税の撤廃や引き下げがおこなわれることは、絶対にないと断言することができます。
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<終わり>
写真提供:アフロ
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