この先もガソリン税は下がらない! そう断言できる最大の理由は日本の安全保障にある
掲載 carview! 75
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その理由を説明する前に、ガソリン税に関する議論で耳にすることの多い「トリガー条項」と「二重課税」について触れておきたいと思います。
ガソリンにおけるトリガー条項とは、レギュラーガソリンの全国平均価格が3か月連続で160円/Lを超えた際にガソリン税の一部(約25円/L)を免除するものです。
資源エネルギー庁の発表によると、レギュラーガソリンの全国平均価格は2021年10月より22か月連続で160円/Lを上回っており、トリガー条項発動の条件を満たしているようにも思われます。
しかし、実際にはトリガー条項は発動されておらず、「政府が法律を無視している」と批判する声も見られます。
ただ、実際にはそういうわけではありません。2010年に租税特別措置法によって規定されたトリガー条項ですが、2011年4月に「東日本大震災の復旧及び復興の状況等を勘案し別に法律で定める日までの間、その適用を停止する」と定められています。
つまり、トリガー条項はそもそも現在の法律では発動できないものであるのが実情です。
トリガー条項を発動できるようにするためには、国会を通して再度法律を制定する必要があるうえ、それにあたって「東日本大震災からの復興は十分であるか」という非常に大きな問いについて議論しなければならないことから、発動までにかなりの時間を要することは確実です。
また、「ガソリン税に消費税が掛かっている」という意味での二重課税についても、ガソリン税(揮発油税および地方揮発油税)と消費税は課税対象が異なるため、正確な指摘とは言えません。
もし、ガソリンが二重課税であるなら、ほとんどの商品やサービスが二重課税(多重課税)となってしまい、ガソリンだけを問題視する根拠が薄れてしまいます。
つまり、「ガソリン税の撤廃や引き下げによって、ガソリン価格を安くする」を目的とするのであれば、この2つを軸にした議論はあまり意味がありません。
少なくとも、トリガー条項を発動しないことや二重課税に対する違法性を指摘したところで、ガソリン価格がすぐに引き下がることにはつながりません。
であるならば、ガソリン税そのものの撤廃や引き下げを訴えたほうが、よほど健全な議論になることは確実です。
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