メルセデス新型CLS試乗 SUV全盛の今だからこそ輝いて見える
掲載 更新 carview! 文:サトー タケシ/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:サトー タケシ/写真:篠原 晃一
CLS 450 4マチック スポーツに乗り換えて気づくのは、エンジン始動のスムーズさだ。アイドリングストップ状態からエンジンが再始動する時など、耳をそばだてないと気づかないくらい、こっそりエンジンがスタートする。
この直噴ガソリンターボエンジンとトランスミッションの間には、ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)と呼ばれる電気モーターが配置される。ISGはスターターとジェネレーターの役割も担い、減速時には回生ブレーキで発電を行い、リチウムイオンバッテリーに蓄える。
こうして、効率アップを請け負う一方で、加速が必要な場面ではエンジンをアシストする。メルセデス・ベンツはあえてそう表現しないけれど、メーカーによっては「HYBRID」のステッカーを貼るところもあるシステムだ。ちなみにエンジンとISG、トランスミッションの間にクラッチは存在しないので、エンジンを切り離してモーターだけで走るEV走行はできない。
エンジンの始動に感銘を受けたけれど、走り出したらこのエンジンはもっともっと良かった。低回転域からのしっかりとしたトルク感、滑らかに回転を上げるエンジンフィール。タイトなコーナーから立ち上がるような場面でのピックアップもいい。欲しいところで、パンッと駆動力が伝わる。ドライバーはモーターの存在を感知できないけれど、おそらく必要なところでモーターがアシストしているのだろう。
価格差を考えてディーゼル、と短絡的に考えていたけれど、この凪の海を進むヨットのような乗り心地には、すべてがスムーズなガソリンエンジンのほうがしっくりくる。クルマのキャラから考えて、予算に余裕があればガソリンを選びたい。というわけで、見た目だけでなく走らせてもハンサムでジェントルなCLS。高級SUV全盛の今だからこそ、こんなクルマが輝いて見える。
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