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新型コルベットは初のミッドシップとは思えない完成度。FRをやめた理由とは何か?

初めてのミッドシップとは思えないフットワークの完成度

今回は、そのサーキットも走ることができた。ラスベガス市街から西に1時間ほど走った砂漠の中のサーキット、スプリングマウンテンである。

ローンチコントロールで改めて0-96mph加速2.9秒を実現するトラクション性能の高さを実感したら、いよいよコースへ。先代Z51で先導するインストラクターを追いかけるかたちでの試乗となる。

徐々に速度を高めていくと、低回転域から分厚いトルクを発生していたV型8気筒6.2Lユニットは、回転上昇に合わせてリニアにパワーを上乗せしていく。吹け上がりはスムーズで粒が揃っており、アメリカンV8のイメージであるドロドロとした印象とは無縁。6400rpm辺りのレブリミットまで一気に吹け上がり、力強くクルマを前に押し出す。DCTの変速マナーは完璧と言ってよく、歯切れよく且つ無用なショック無しに速やかに次のギアへと繋いでいく。

思い切りアクセルを踏み込めるのは、高いトラクション性能、そして素晴らしいフットワークのおかげだ。直進時から優れた手応えを示すステアリングを切り込むと、じわりとしたロールを伴いながらクルマが素直に正確に、まさに自分を軸にするように向きを変えていく。まさにミッドシップらしい挙動だが、下手にシャープに仕立てられていないこともあり安心感、コントロール性は高い。

この落ち着いた挙動には、OHVエンジンの重心の低さも貢献しているのは間違いないだろう。伝統のユニットが単に郷愁を誘うだけでなく、ちゃんと意味をもって機能しているのだ。

長く横Gがかかり続ける中速以上のコーナリングでは、最終的にリアが発散しそうな気配があるものの、気をつけるのはそのぐらい。途中でうまくGを逃してやれば、アンダーステアもオーバーステアも軽く、一線を超えてもいきなり制御不能になることは無さそう。初めてのミッドシップとは思えないほどの完成度の高いフットワークに大いに感心させられ、そして楽しんでしまった。

冒頭に記したジャパンプレミアで、すでに大まかな仕様と価格は発表済みの新型コルベット。プレオーダーは予想をはるかに上回る数になったというから、新型の大変革はまずは成功と言えそうだ。しかも新型では右ハンドルの導入というトピックもある。従来からのファン以外にも大いにアピールして、通算8世代目にしてコルベットというモデルの存在感、ますます高まることは間違いない。

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