自動車評論家が2週間でテスラを注文した理由は「クルマの常識が破られた」
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:テスラモーターズジャパン
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:テスラモーターズジャパン
既存のクルマとモデルSの違いは、ガラケーとスマホの違いに例えられるかもしれない。試乗車は最新の2017モデルだが、自動運転をはじめとする各種ソフトウェアが、定期的なアップデートによって性能向上や機能拡大していくのだ。これはアプリのダウンロードやソフトのアップデートで購入後も進化するスマホに近い。
もちろん、プロセッサーの処理能力やメモリーの容量を変えたければハードの交換が必要になり、スマホを数年おきに買い替える動機もそこにある。しかしテスラはハードの進化もある程度まで見越して、10年先を見据えた機能を搭載しているという。おかげでクルマの目となるカメラだけで、フロントガラスに3個、フロントフェンダー部に左右1個ずつ、前席と後席ドア間のBピラーに左右1個ずつ、リアに1個の合計8個搭載。さらに以前の2倍の距離をセンシングする超音波ソナーを12個搭載して周囲を監視する。頭脳となるCPUも演算処理能力が以前の40倍に高められた。
その結果、本当にそんなことができるのか半信半疑だが、このP100Dを含めた最新テスラが搭載する前述したカメラなどの「ハード2.0」は、ソフトアップデートによって最終的に「レベル4(例えば高速道路など限定された環境下で完全にシステムに運転を任せることが可能。これより高次の自動運転はあらゆる環境下で完全にシステムに運転を任せることができるレベル5のみ)」の完全自動運転にまで対応できるというのだ。現時点でも走行環境次第ではクルマに大部分の運転を任せられる半自動運転と表現できる能力が備わっているが、いずれは目的地を告げるだけで…いや予定表に入っている目的地を読み取るようになるので、クルマが目的地に自動で向かうような世界にまで対応するというのだ。
もちろんこうしたアップデートは有料ではあるが、購入済みのクルマが進化していくという考え方自体、スマホやPCに似たビジネスモデルがクルマでも始まりつつあるということだろう。
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