ポルシェが1台だけ作ったボクスターベースの軽量ヒルクライムレーサーの独占ウラ話
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office
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ボクスターをベースにした981ベルクスパイダーのデザイナーとエンジニアに与えられたマジックナンバーは「1000kg(!)」だった。それゆえに981はシングルシーター、ルーフどころかフロントウインドーも取り払われた。またドア開閉レバーは無く、内側からロープで引っ張る。またドライバーズシートを取り囲むトノカバーは合成レザーでできている。次の軽量目標はボディパーツで、フロント、トランクリッドとリアのフェアリングはカーボンが採用された。
ダッシュボードやメーター類は981からの流用だがレイアウトおよびデザインは変えてある。またスポーツシートもオプション・カタログから選択したものだ。助手席側のシートは開閉可能で、ヘルメットやドライバー側のトノカバーを収納するスペースになっている。ところで車両重量だが残念ながら1000kgを99kg上回ってしまった。まあ、この数字はもう少し努力すれば何とかなるかも知れない。
搭載されているパワートレーンはケイマンGT4から移植された3.8リッター水平対向6気筒で最高出力は393馬力(289kW)を発生する。ちなみにこれは完全な紙の上での計算だが、ニュルブルクリンクではおそらく7分30秒のラップタイムを出すはずである。この981ベルクスパイダーが量産されるかどうかは現時点では分からない。何れにせよこの2台はガイズベルク・イベントの後はポルシェ・ミュージアムで展示されることになる。デザイナーのラーソンは「981ベルクスパイダーは限定生産モデルとして、当社のライナップに加えても悪くないとは思うのですが、…」とため息をついた。
■909ベルクスパイダー
エンジン=2.0リッター 275ps
重量=375 kg
■918ベルクスパイダー
エンジン=3.8リッター 393ps
重量=1099 kg
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