FRらしさと安定感を両立する後期型86。アルミテープの謎にも迫る
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:望月 浩彦 1
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空力といえば、86ではステアリングコラムカバーとサイドウインドウ下端に貼られたアルミテープがすでに大きな話題となっているが、それについてはBRZも共通である。そのねらいは「静電気をぬくことで気流を安定させて、空力効果を高める」技術だという。
さて、その空力アルミテープだが、特許取得の見込みが立ったことで、トヨタは今回初めて技術概要の公開に踏み切った。しかし、じつはすでに実用化は終わっている。現時点でもヴォクシーやノア(バンパー裏)、プロボックス/サクシード(ステアリングコラムカバー)、レクサスRX(サイドウインドウ下端)などに、すでにアルミテープが使われている。
その開発にトヨタが着手したのは5年ほど前。トヨタ実験部隊の間では、それ以前から「クルマに乗っているうちに、なぜか乗り味が変わる」というのが“あるある”として共有されており、彼らはその現象を「オバケがいる」と表現していた。
しばらく走ってから現われるオバケの正体を「クルマの帯電では?」と推測して、ためしに空気中に放電させるためにアルミテープを貼ってみたら、予想以上の効果があった…というのが開発のキッカケ。機械を動かせば帯電するのも、放電させるにはアルミテープが手っ取り早いのも、理系技術者にとっては、まあ常識だそうである。この技術はいわば、そういう“灯台下暗し”をちょっとした着想でカタチにしたものといっていい。
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