清水和夫が18年前のメルセデスE55 AMGを衝動買いした理由とは?
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:ダイムラーAG
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この時代のメルセデス・ベンツは攻めまくっていた。1997年には「Aクラス」と「スマート」を発表し、W210の「Eクラス」も誕生した。メルセデスがコンパクトカー市場に参入したのは、ユーザーのライフスタイルの変化を感じたからだ。しかし、コンパクトカーの安全性を考慮すると、Eクラスや「Sクラス」といった大型車の車体構造も(衝突時にコンパクトカー側の安全性を高めるために)変える必要が出てきた。
「ユーロNCAPやIIHS(米国道路安全保険協会)が実施する“64km/hのオフセット衝突テスト”はボディの負荷をテストするには都合が良いのですが、事故時の安全性に関してはあまり意味がありません」とメルセデスの安全技術の責任者であるインゴ・カリーナ氏は述べている。もともとオフセットテストは1973年にメルセデスが考案したものであり、98年10月には欧州の法規準となっている。それでも意味はないのだろうか?
カリーナ氏は「ボディ構造の開発手段としてメルセデスでは早くからオフセットテストを採用してきました。いまでもこれ以上の実験はないと考えています。しかし安全情報として64km/hオフセット衝突テストで、星によってランク付けするのは意味がありません」。
カリーナ氏は続けて「清水さん、事故調査こそが真実を計る物差しです。この調査なくして効果的な安全対策は考えられません。衝突テストはあくまでもボディを開発する実験手段なのです」。さらに「大きなクルマが64km/hオフセットで良い成績を取りに行くと剛性はさらに高まり、小型車にとって不利な結果を導きます」と心配していた。
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