次期Sクラス、インテリジェントドライブとは?
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:メルセデス・ベンツ日本
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:メルセデス・ベンツ日本
そもそもの安全の基本である視界確保。この点ではヘッドライトに興味深い技術が集中している。次期Sクラスはライトからすべてのバルブが廃され、オールLED化される。
特にこのヘッドライトには、ハイビーム走行中に対向車などが来た際、従来のアダプティブハイビームのように単にロービームに切り換えるのではなく、ライトの一部をシャッターで隠すことで、可能な限り広範囲を照らし続けながら、対向車の眩惑回避を可能とする「アダプティブハイビームアシストプラス」、歩行者や動物が現れた時にメーターを自動でナイトビューに切り替え、危険な箇所を強調表示する「ナイトビューアシストプラス」なども用意される。
後者で思わず唸ってしまうのが、相手が歩行者の場合に、対象物を照らし出すスポットライト機能も働くが、動物の場合は不意に光を当てるとどんな動きをするか分からないので、スポットは当てないということ。そんな細かな制御も盛り込まれているのだ。
今回のテックデーでは沢山の先進安全技術について知り、またシミュレーターにより実体験することもできたのだが、ここで忘れてはいけないが、そのどれもが単に装備されているのではなく、冒頭に書いたシミュレーターなどを使って、呆れるほどの時間をかけて実験が繰り返された上で搭載されているということである。
ちなみにシミュレーターについては、すでに25年も前に、ベルリンにあるダイムラー・ベンツ・リサーチ・センターに設置されていたという。もちろん、他に大きく先駆けての話だ。
駆け足での紹介となったが、次期Sクラスが非常に多くのセンサーを積み込んで360°の目を持ち、それを安全性の飛躍的な向上に繋げようとしていることは、ぜひ覚えておいてほしい。過去のどのモデルもそうだったように、Sクラスこそはこの先のメルセデスのテクノロジーの向かう道を指し示すモデルになるはずである。
安全装備だけでこれなのだ。次期Sクラスが一体どれだけのハイテクマシンになるのか、今から興味は尽きない。
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