新型Eクラス海外試乗 清水和夫レポ・前編
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:メルセデス・ベンツ日本
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:メルセデス・ベンツ日本
新型Eクラスのチーフエンジニアは「現代のEクラスのEには三つの意味がある」と述べている。一つ目のEはエクスペリエンス(経験)のE。先代のEクラスのリコールから学んだことは多い。そのために今回の新型Eクラスの開発に実車走行テストはなんと3600万キロ、じつに地球を900周も走って開発したという。
ベンツがガソリン自動車を考案したのが123年前。その長い歴史から学んだことがメルセデスのクルマ作りの源流なのだ。
二つ目のEはアイキャッチャー(Eyecatcher)のE。ジュネーブショーでデビューしたほんとうに美しいEクーペも新しいEファミリーに仲間入りする。そのアイキャッチャーの意味があるという。
最後のEは環境に配慮した効率のEだ。従来のEクラスの意味はSクラスとCクラスの中間というボディサイズから作られたヒエラルキーで説明されてきたが、新しいEクラスの意味を考えたことは、ヒエラルキーから脱却したいという意志を感じる。そろそろ高級車のクラスレス化が始まったのかもしれない。
こうして高級車とは「大きなボディと大きなエンジン」という定説から脱却し、例えば1.8L4気筒エンジンを搭載するE250は新しい高級車のあり方を提供している。Eのボディにちょっと小さなエンジンの組み合わせは、最近のVWゴルフが進めているTSIコンセプトに近いものだ。
E250もE500も同じような高級車に仕上がっている。 エンジンの排気量では差別化しにくくなったのが新型Eクラスの特徴だ。だが、どうしてもエアサスの極上の乗り味が忘れることはできない。Sクラスではボディが大きすぎると感じるなら、 最良のドライバーサルーンとしてE500も奨めたい。
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