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新型Eクラス海外試乗 清水和夫レポ・前編

「最善か無か」が帰ってきた!

ベンツと言えばミドルクラスのサルーンであるEクラスを思い出す人は少なくないだろう。そのEクラスがフルモデルチェンジし、スペイン・マドリードで試乗会が行われた。はたしてどんな新しい価値を新型Eクラスはもたらしてくれたのだろうか。新型Eクラスに採用された新技術は後編にたっぷりと説明するが「最善か無か」と言われたメルセデス流クルマ作りが帰ってきたと言えそうだ。

ここでは速攻インプレから新型Eクラスを斬ってみようではないか。

まずE500と呼ばれるV8エンジンからチェックしよう。V8エンジン搭載車には専用に開発されたエアサスが装備される。しかも新開発のボディは剛性感は勿論だが、音や振動を減衰するボディ特性を実現している。そのためE500(日本ではE550)はまるで路面が張り替えられたように、滑らかにタイヤが転がる。このスムースさはメカニカルサスを持つE350やE250では味わえないものであった。こうしたしなやかさが新型Eクラスの高級感を醸し出している。

サスはまるで動物の足のように動く。エアサスはあくまでも金属バネの代わりを務めているものだが、ダンパーとのバランスもよくハイスピードで走ってもフワフワと不安になることはなかった。

エンジンはディーゼルと同じトルクを発生するが、やはりV8エンジンは静かで振動はほとんど感じない。これに7速ATが加わるので、発進する時からずっとスムースな加速感が続く。まったくいつ変速したのか分からないほど変速ショックがない。

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