新型レクサスGS登場 プロトタイプの実力は？

V6は低回転トルクがほしい

LDHを採用しない、ラグジュアリーの走りにも簡単に触れておこう。オンザレール感こそLDH付きのスポーツには敵わないが、基本的な乗り心地の良さとシッカリ感を高いレベルで備えているのは同様だ。LDHが無いことにより、逆にシャーシの直進安定性の良さが際立っている。

180km/hオーバーの速度でも、ハンドルから手を離してもドシッと真っすぐ走り、数mmのハンドル操作にも的確に反応する。専門的にはフロントサスのキャスター角を増した効果が大きいが、それでもハンドルの素直さが消えていないのがまた凄い。

最後はパワートレーン。既存エンジンのV6は、排気音と吸気音チューニングにより、高回転域の音にISFのようなゾクゾク感をある。ただ、ライバル勢のエンジンに対して低回転トルクが細いためキックダウン頻度が高く、全体的にギクシャクする。せっかく足がしなやかなのに、変速による姿勢変化が多いのは残念だ。なぜ8ATを採用しないか聞きたいところだが、変速頻度が上がるという副作用もあるし、GSに限らず、まずはエンジンの低回転トルク向上がレクサスには必要だろう。

ハイブリッドは試乗の印象では従来のシステムを流用していると予想できる。だが、フル加速のときにエンジン回転が速度に合わせて上昇する味付けになっており、高揚感があるのがいい。ただしブレーキのタッチがスイッチ的でコントロールし辛いのは減点。来年の導入時には治っていることを期待したい。総じてGSプロトモデルは期待を上回る、高級車にふさわしい実力を持っていた！