【後日精算に不満爆発】ETCを襲った大規模システム障害。無料にならない複雑背景と、混乱を招いた根本原因

画像：アフロ

「無料開放しろ！」と憤る利用者

一部の料金所では、システム障害によりETC経由で料金を収受できなかった利用者に対し、後日精算を案内する資料を手渡していたといいます。

しかし、その説明などに時間を要したことなどから、そうした料金所付近では激しい渋滞が発生してしまいました。

SNSでは「2時間で40mも進まなかった」という声も見られます。

インターネット上には、そうした事態をまねいてしまったネクスコ中日本に対する非難の声が数多く見られます。そのなかでも特に多かったのが、「利用者に責任がないのであれば、各高速道路を無料開放すべきだった」というものです。

一方、ある有識者は「それは現実的ではない」と話します。

「たしかに、今回のシステム障害は利用者に責任はありません。ただ、高速道路は重要な社会インフラのひとつである以上、その封鎖には厳格な基準を満たす必要があります。

具体的には、災害や交通事故などによって利用者の安全がおびやかされるような場合がそれに該当します。

その点で見ると、今回のシステム障害そのものは、利用者の安全をただちにおびやかすものとは言えません。

また、高い公平性が求められることを考えると、一部の利用者のみ無料にすることも難しいと思います。納得のいかない部分もあるかもしれませんが、あくまで建前としては、そういった解釈になることはやむを得ないことです」