【隠す美学の原点】現代のBMW「M5」が失ったものを初代「M6」は持っていた…官能的なシルキーシックスの記憶
掲載 carview! 文:koensha 13
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初代M6(欧州仕様は「M635CSi」)は、BMWとランボルギーニが共同開発した悲運のスーパースポーツ「M1」のパワーユニットを積んだ、レース直系のハイパフォーマンスクーペである。
M1は商業的には成功しなかったが、その心臓部である3.5L直列6気筒「M88」型エンジンは、レースで鍛えられた本格派だった。このユニットをロードカー向けにチューンした「M88/3」型を優雅な6シリーズクーペのボディに収めたのが、伝説の名車「M635CSi」だ。
M88/3型は、レース用の3.0CSLユニットをベースに、燃料供給をクーゲルフィッシャーからボッシュ・モトロニックの電子制御に変更。圧縮比は10.5まで引き上げられ、最高出力はM1を上回る286psを実現した。
エンジン本体は30度傾けて搭載され、専用設計のインテークマニホールドおよびエグゾーストマニホールドを備えるなど、細部までBMWモータースポーツ社(BMW Motorsport GmbH)のノウハウが注ぎ込まれていた。ウェットサンプ潤滑方式を採用し、スムーズかつ高耐久な回転フィールも特徴的だった。
その実力は数字にも表れており、最高速は255km/h、0-100km/h加速は6.1秒という当時としては驚異的なパフォーマンスを誇っていた。
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