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新型パサート/パサートヴァリアント速攻試乗

フラッグシップへの刷新

日本で販売されているフォルクスワーゲンのセダン/ワゴンのなかでもっとも大きなボディサイズをもつのがパサートだ。けれど僕はこれまでパサートに“フラッグシップ”という表現を使うのをあえて避けてきた。というのも、弟分のゴルフと比べて歴代パサートが圧倒的に上質だったかというと、決してそんなことはなかったからだ。

ボディサイズはたしかに大きいし、木目パネルやフロントグリルの面積もゴルフ以上。なおかつエンジン面でも贅沢をしていて、主力はあくまで4気筒だがV6も普通に積んでいたし、先々代ではW8というユニークな8気筒モデルも用意していた。つまり、VWは躍起になってパサートをゴルフより格上のプレミアムで立派なモデルとしてアピールしようとしてきたということだ。

そんな努力を認めつつも、僕としてはやはり「ゴルフの上級モデル」ではなく、「ゴルフでは小さすぎると思う人のためのクルマ」というイメージを捨てきれなかった。なぜなら、パサートのプレミアム性は大きなボディやエンジン、木目パネルの面積といった表面的な部分に依存していたからだ。

それに追い打ちをかけたのが現行ゴルフである。クラスを超えた本物感をもつゴルフVIによって、乗り味、走り味の面で明らかな逆転現象が起きていたのだ。もっとも、それはパサートがダメなのではなく、ゴルフがあまりにもよすぎたからなのだが…。

そんな状況のなか登場した新型パサートは、果たしてどんなクルマに仕上がっていたのか。驚いたことに、たった10メートル走っただけで弟分を上回るポテンシャルを秘めていることを体感できたのである。

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