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スープラ・多田CEが語る、4気筒の魅力、MTがない理由、ドリフトしにくい理由

MTでもDCTでもなく、トルコンATを選んだ理由

Q. トランスミッション(ZF社製8速AT)は、制御面で「BMW Z4」と異なる部分はありますか?

A. チューニング面では独自の要求をして開発を進めてきたので、最終的に異なる部分はあると思います。

Q. Z4とスープラの共用部分の線引きみたいなものは最初から決めていたのですか?

A. 「86」と「BRZ」の時は、できるだけ同じ部品を使ってコストを抑えることで広くスポーツカーを楽しんでもらうというアプローチでしたが、今回はだいぶポジションが違いますし、このクラスのスポーツカーのお客様に満足いただくためにも、お互いに作りたいものを決めた上で共有できるものがあれば使っていきましょう、という順番で進めてきました。

結果的にエクステリア、インテリアといった意匠面はほぼ違うものになっていますし、たとえばシフトノブなどかなり細かいパーツまで変えていたりします。

もちろんプラットフォームやエンジン、足回りなどの基本的な部分は同じですが、チューニングは変えています。スポーツATの根本的な制御ロジックは「レクサス RC-F」などから蓄積したノウハウがあるので、スポーツATチームがBMWの担当者と特別なワーキングチームを作り検討して、かなり良いものが出来たと思っています。なので、とりあえずマニュアルミッションは設定していません。まずはスポーツATに乗ってみてください。

Q. とりあえずということは?

A. MTが嫌で設定しないというわけではないということです。またMTを求める声が多いこともわかっています。が、「まず、このATに乗ってみてください」ということです。

一般的なATの認識としてシフトが遅いとか、つまらないとかいうものもありますが、私自身はそうは思わないというところまできました。実は7年前に開発を始めた時は、私もみなさんと同じようにMTやDCTの方が良いと思っていたのですが、色々な可能性を探っていくうちにその認識が変わってきたのです。DCTよりATを選んだ最初の理由は絶対的に軽いということです。これは構造的なものでDCTは絶対に追いつけない。軽いATで、いかに変速スピードを速めるか、と突き詰めていくとDCTに追いついてくるんです。ソフトウェアのアップデートだけでどんどん性能がアップする。

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