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新型Eクラス試乗 安全装備とエンジンが凄い

無数のレーダーとカメラで徹底的に監視

スバルのアイサイト効果もあって、日本では軽自動車まで自動衝突回避&被害軽減ブレーキが流行っている。前方の障害物をコンピューターの目で検知し、自動的にブレーキを介入させる仕組みだ。問題はセンサーの精度やシステムの機能が違えば効果はそれぞれ異なることで、ユーザーはその実体をあまり知らされていない。

特に、自動ブレーキの前段階である「警報→ブレーキアシスト」は、最終的に自動ブレーキが介入する前のとても重要なプロセスだ。ここには人間とコンピューターがオーバーラップする領域が存在し、人間の過信や葛藤を克服する重要なカギが隠されている。「自動車の開発は人間研究」と考えるメルセデスは、今回開発したドライバーアシスト技術でこの部分をどのようにカバーしたのだろうか?

新型Eクラスは前後で合計5個のミリ波レーダーとステレオカメラ、車庫入れなどで利用するソナー(音波探知)まで含めると10個にも及ぶセンサーでクルマの周囲を入念に検知している。たとえコストが掛かっても、周囲に存在する様々なリスクを高精度で検知・認識するためにはどうしても必要であるとメルセデスは考えているのだ。

人間の目の代わりとなるセンサーはロングレンジの76GHzとショートレンジの25GHzのミリ波レーダーが中心だ。76GHzのミリ波は「200m/18度&60m/60度」、25GHzのミリ波は「0.2~30m/80度」の範囲をカバーする。この2つがあればアダプティブクルーズコントロールの機能も成り立つ。さらに500mのレンジを持つステレオカメラでも前方を検知している。ステレオカメラは50m/45度の範囲では立体的(3D)に物体を認識可能で、歩行者検知にはこの技術が不可欠だ。

後方はボディの後端左右に25GHzのミリ波レーダーを置くことでサイドミラーの死角をカバーして、斜め後方のクルマの接近を知らせてくれる。さらに、同じ25GHzのミリ波レーダーを真後ろにも配置して後突事故の対策も講じている。信号待ちなどで停止しているとき、後続車が急接近するとブレーキ圧を最大に高め、衝突後に交差点内に押し出されないように身構えるのだ。

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