地味だけど販売台数はトップクラス。なぜか売れてる国民車、トヨタ「ルーミー」が人気の理由

トヨタ ヤリス

ロングセラーの理由は“安さと強力な販売網”

3つ目のポイントは経済性の高さである。エントリーグレード「X」は174万2400円から、最上位の「カスタムG-T」（ターボ・エアロ仕様）でも225万7200円と手頃だ。さらに先進安全機能やディスプレイオーディオ、バックカメラなどが標準装備されている。

全車1.0Lエンジンを採用しており、税金面でも優遇されるのも魅力。自然吸気モデルでは4WDも選択でき、雪国ユーザーのニーズにも対応する。

そして、ルーミーを支える大きな要素がトヨタの販売ネットワークだ。兄弟車であるダイハツ「トール」の販売が年間1万台規模にとどまるのに対し、ルーミーは2021～2023年で年間10万台ペースを維持している。これは販売網の強さと顧客層の厚さを物語る。

販売店の話によると、かつてミニバンに乗っていた子育て世代が、子離れ後にルーミーを選ぶケースが多いという。ミニバンの利便性はそのままに、扱いやすいサイズ感が評価されているのだ。

またシニア層にも人気が高く、残価設定ローンを活用して3年ごとに新しいルーミーへ乗り換えるユーザーも少なくないという。リピーターの多さが、安定した販売の背景にあるのだろう。

（終わり）

（写真：トヨタ、ダイハツ）