自動運転CMで総ツッコミの日産。ノートe-POWER動画にもモヤモヤするワケは?
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹
この動画で言っていることがすべて間違っているわけではない。というか、おおむね正しいとすら言えるだろう。つまりディテールが乱暴なわけではない。
確かに(都市部では)信号は多いし、赤信号で車をカックンと停止させる乱暴なドライバーもいる。そしてそういう停車をされると、同乗者は不快に思うものだ。時には(頬を叩くかどうかはさておき)文句のひとつも言いたくなるだろう。
そしてガソリンエンジン車よりも、ワンペダルで減速および停止まで持っていける電気自動車系のほうが「超スムーズな停止」は実践しやすいというのも、確かにそのとおりではある。
けれど「絶対にそう」ではない。
安全な速度の範囲内で「先を読んだ運転」をすれば、古風なガソリンエンジン搭載車であってもスムーズな停止は十分可能であろう。また逆にワンペダル系EVであっても、下手で乱暴なドライバーがアクセルを急激に抜けば、車種によってはかなりカックンとくる。場合によってはドライバーをビンタしたくなるほどに(しませんが)。
「EVだから有利」というのは確かにあっても、「EVだから絶対にOK」という事実はないのだ。まぁそんなことは言うまでもない自明の理であるため、日産自動車も、そしてこの動画を実際に制作した広告代理店も、よくわかっているはず。
だがわかったうえであえて物事を乱暴に区切り、乱暴に表現している。その姿勢に筆者は日産自動車ならびに広告代理店の「不遜」を感じてならない。キャッチーなら、売れれば、それでいいんだろ? 頬を叩くってのもインパクトがあって面白いだろうしさ! というニュアンスの不遜さだ。
だから私は言うのだ。「乱暴なのは、むしろあなたがたのほうではないですか」と。
かつて日産は「プロパイロット(日産の高速道路同一車線自動運転技術)」のことを、広告内で「スイッチひとつで自動運転!」的に表現した。だが「さすがにそれは誇大表現だろ」との総ツッコミが入り、現在はその文言は使っていない。
その後は、やっと地に足をつけたのだろうと思っていた。世界的自動車メーカーとしての責任を感じながら、インパクトやキャッチーさは当然重視しつつも、丁寧な広告表現を心がけるようになったのだとばかり思っていた。
だが、どうやらそうではないのかもしれない。
(ジャーナリストコラム 文:伊達軍曹)
----------
伊達軍曹(だて ぐんそう):自動車コラムニスト
外資系消費財メーカー勤務を経て自動車メディア業界に転身。「IMPORTカーセンサー」編集デスクなどを歴任後、独自の着眼点から自動車にまつわるあれこれを論じる異色コラムニストとして、大手メディア多数で活動中。
ログインしてコメントを書く
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
60年代のアメ車をEV化でレストモッドってクライスラーやるじゃん! 最新の中身だけど「手動窓」のプリマスGTXが「懐かし新しい」!!
トヨタ・アルファード&ヴェルファイアに国内ミニバン初のPHEVが登場!【新車ニュース】
新車230万円! ホンダ「小さな高級車 フィット」がスゴい! 全長4mでクラス超え「豪華内装」設定! “ちょうど良いサイズ”に「プレミアム感」凝縮の「LUXE」どんなモデル?
アジフライ2枚で高コスパ! 豊洲市場の『洋食 禄明軒』へ
編集部に「ちょうどいい」コンパクトSUVがやってきた!【ヒョンデ・コナ長期レポート#1】
この先の日本のかたち 「自動車の楽しさ」の未来 ぶかっこうなクルマ いすゞピアッツァ【復刻・徳大寺有恒「俺と疾れ!!」】
マツダ「CX-60」の乗り心地が改善! スポーティな新グレード「XD SP」とアウトドアユースな特別仕様車「XD-HYBRID Trekker」が登場
スバル車の走りはいいけど水平対向は燃費悪いからなぁ……は合ってるようで間違い! 「悪燃費」の噂はどこから発生した?
ホンダ、中国でNEV新工場が稼働 748億円投資 年産能力は12万台
【ホンダ】日産との経営統合に向け検討を開始/1月末めどに「方向性を見出す」
【ゼロヒャクは2.9秒】メルセデスAMG SL 63 S Eパフォーマンス 最高システム出力816psのPHEVが登場
日野『プロフィア』リコール…排気管固定用ブラケットが脱落するおそれ
【今年はコスパ元年】フロンクスからランクルまで、お手軽予算や最強リセールで覚えておくべき車5選
【ホンダの逆襲】新型「プレリュード」が“ハイブリッド革命”と話題に…エンジンの超進化が向かう世界
【発売秒読み!?】マツダ、2.0Lチューンドエンジン×幌の高性能「ロードスター」市販予定仕様を公開【TAS25】
【ライバルもビックリの強烈さ】スズキ新型「ソリオ」公開! 「フロンクス」のクールなカスタム仕様も【TAS25】
【無敵の布陣完成】トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」一部改良。廉価版・PHEV・最上級4人乗り一挙追加…510万円から
【2025年もシークレットあるかも?】スバルがオートサロン出展概要発表 新色のBRZなど展示
【まるでドラマ】鴻海をけん制し、株価をV字回復させ、日産とホンダの統合を進める経産省の凄腕ぶり
【究極系ノートオーラ】デザインも中身も本気な「オーテック・スポーツスペック」登場。NISMOとの違いは?
【色褪せない美しさ】レクサス「LC」改良。剛性アップで走りが深化、内装もゴージャスに…1405万円から
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!