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S60でボルボはどう生まれ変わったのか?考察

歩行者を守るヒューマンセーフティ

最後にS60に搭載された最新の安全技術「ヒューマンセーフティ」に触れておこう。

ボルボはXC60でシティセーフティという安全技術を搭載した。全グレード標準採用を狙って比較的低コストのレーザーセンサーを使い、6m以内の前走車を監視しつつ、衝突の危険があると自動で急ブレーキを掛ける。時速4~35km/hの走行中に作動するもので、路面状況によっては衝突するが、それでも衝突エネルギーは激減するという装備だ。

それに対して今回のヒューマンセーフティは、シティセーフティの衝突回避の対象が人になったもの。最も異なるのは、カメラ映像解析技術を駆使して人を認識。その人との距離をレーダーで読み取り、ぶつかる危険が生じた際に、急ブレーキを掛けるというもの。

スバルでも同様の目的を狙ったシステムとして「アイサイト」がある。これは2つのカメラ(ステレオカメラ)を利用して、人やクルマを認識しつつ、それぞれのカメラ映像のブレを利用して距離まで計測するが、ボルボではシングルカメラ+レーダーで行ってきた。

実際に風船のダミー人形でその効果を試してみたが、時速30km/hで人形に近づくと、例えドライバーがアクセルを踏んでいる状態でも、ダッシュボード奥の赤いフラッシングライトと音での警告ととに、急ブレーキがかかり急停車する。

脇見運転などをしなければ必要のない装備と捉えられそうだが、そうは言っても起きるのが事故であり、事故をしてから悔やんでも遅い。標準装備のシティセーフティとは異なり、ヒューマンセーフティはR-DESIGNにのみ標準で、他は25万円のセーフティパッケージオプション設定。このパッケージにはシティセーフティ機能だけでなく、普段も使えるスムーズな速度コントロールをしてくれる全車速追従型オートクルーズ機能も付くので、S60を購入する時は、このパッケージの選択も視野に入れてもらいたい。

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