S60でボルボはどう生まれ変わったのか?考察
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:中野 英幸
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:中野 英幸
T6の走りの質を高める要素として、直列6気筒エンジンも欠かせない。なぜなら、440Nmのトルクを2100rpmから発生させる強力な加速力も特筆すべきことだが、それ以上に直6特有の回転振動少なくスムーズにエンジンが回る特性が素晴らしいから。これは高回転の吹け上がりをスムーズにしてスポーティドライブの気持ち良さを倍増させるだけでなく、通常走行時にはしっとりとエンジンが回るからこそ高級感が高まる。
エンジンのダウンサイジングや衝突安全を含めた搭載スペースの問題から、いずれ直6は淘汰されていくエンジンかもしれない。だが、このようなスムーズに回る直6特有の気持ち良さを体感する度に、どうにか存続させてもらいたいと願ってしまう。
そしてT6でもう一つ好印象だったのが、ハルデックス社と共同開発した電子制御4駆の賢さ。深くアクセルを踏んでトルクステアが発生しそうな場面や、ハードなスポーティドライブでリアが滑り出しそうなときに、リアタイヤにトルクが配分されてそれらの現象を止めてくれる。慣れれば駆動力が移った瞬間も感じ取れるが、結果として、オン・ザ・レール感覚のコーナーリング性能とハンドリングの素直さを生み出し、これもまた質感向上に寄与している。
そのような仕上がりにT6が到達しているのだから、スポーツ性を追求した「R-DESIGN」はもっと凄いと予想したが、期待とは異なるものだった。18インチのスポーツコンタクト3と強化された足回りは、一般道の路面を走るうえで少々ダンピング容量が足りない。乗り心地に硬さがでるうえに、スポーティドライブ時にクルマごと跳ねる動きがありグリップ力が安定しない。また、走行微振動も増えてしまう。さらには細かくいえば、高荷重に対応した味付けにより、軽くブレーキを踏んだ際のフロントサスペンションの沈み込み量が少な過ぎて、クルマは減速しているのだが、その減速感がつかみづらく、速度コントロールが難しい。
R-DESIGNはサーキットのような高荷重を与えられる場面でこそ、その良さが活きて来るはずだ。一般道であればノーマルT6のほうがバランスや質が高く、DRIVeにプラス約150万円という価格差をもってしても勧めたくなる完成度になっている。
ログインしてコメントを書く
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
いい波に乗って、メダルを持ってまた戻ってきたい! ストラーダイメージキャラクター「松田詩野選手 パリ2024オリンピック壮行会」リポート
JAF神奈川、JAF会員特別メニューが楽しめる「JAF神奈川支部 120万会員記念イベントin富士サファリパーク」を開催
メルセデス・ベンツ CLEにAMG53 4MTAICモデルを追加
円急落、38年ぶり一時160円台後半、自動車株は全面安[新聞ウォッチ]
夏のカーエアコンで燃費が悪化! 「25度設定」が良い理由は? 押すと燃費が悪くなる“意外なスイッチ”とは?
バイクのウインカーの謎! クルマみたいに自動で戻らないのはなぜ?
BYD『シール』、欧州ではEVモード80kmの電動SUV設定 9月発売
日々の暮らしに笑顔をもたらすニューモデル!ホンダ、三代目「フリード」を「エアー」と「クロスター」の2シリーズ構成で発売
フェルスタッペン、2025年のレッドブル残留を明言「すでに来年のマシン開発にも取り組んでいる」
ヤマハとJAF、電動ゴルフカートで「移動支援」と「地域活性化」へ 広がる低速モビリティの輪
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定「池田直渡の着眼大局セミナー」第4回 ティアフォーにおける自動運転事業と開発の現場
日本を代表するハーレー・エンジニアと所ジョージさん 2人の深い関係を示す1台のカスタムバイク
【20周年記念車オーナーに激震?】「ゴルフR“8.5”」登場。買い物もこなせる超高速ハッチ
ホンダ新型「フリード」発売 購入検討時にチェックしておきたいポイント&シエンタとの価格差は?
【よく見りゃ大変化!】発売迫る新型BMW「X3」のデザインやお買い得度を現行型と比べた
大幅改良で走りが激変「ヴェゼル」の買いは最上級「Z」の4WD。新設定ハントパッケージの評価は?
日産の新型3列SUV「インフィニティQX80」が米で7月発売決定。打倒レクサスLXとして日本導入ある?
本当にスポーツタイヤ!? グッドイヤーの新作「アシンメトリック6」は静かで軽い“摩訶不思議”な万能選手だった
続々PHEV化で完成するレンジローバーの唯一無二の世界観。その裏で過激なV8モデルも準備中!?
BYDの新型セダン「シール」は乗るとどう? 中華高級EVのガジェット感とコスパは日本で通用する?
アメリカ人がマツダ車を“発見”した? 「CX-70」ほか軒並みセールス絶好調の背景とは