新型ディスカバリーは先進技術満載でレンジローバーに迫る性能を手に入れた
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:望月 浩彦
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:望月 浩彦
悪路走破性とユーティリティを追求したクルマでありながら、新型ディスカバリーはきわめて都会的な洗練性を身につけている。控えめなフロントマスク、強く傾斜したウインドスクリーン、ボディサイドまで回り込んだ前後ランプ、スピード感を演出するシャークフィン状のCピラー、絞り込んだキャビン、全体を覆う高い品質感など、そこにあるのは従来のヘビーデューティー4WDとは一線を画す乗用車的な佇まいだ。実車を前にすれば、全長約5m、全幅2m、全高約1.9mという巨体に圧倒されるものの、「悪路を走るために作られたクルマ」というイメージは思いのほか希薄。ランドクルーザー200の故郷が悪路だとすれば、ディスカバリーの故郷は都会。そのぐらいの違いがある。
乗り込むとそんな印象はさらに強まった。レザー、ウッドをはじめとする上質なマテリアル、ダッシュボードに統合された大型タッチスクリーン、スイッチ類の洗練されたデザインとタッチなど、そこに拡がっているのは紛うことなき高級車の世界。そのプレミアム感は、ランドクルーザー200ベースのプレミアムモデルである「レクサス LX570」を軽く凌ぎ、「レンジローバー」と肩を並べるレベルに達している。もし僕が開発者だったら、もう少しコストを抑えつつデザイン的にもヘビーデューティー感を出して、ほぼ同価格帯(ちょっと高い)で7人乗りという共通点をもつ「レンジローバースポーツ」との違いを明確化するべき、と考えただろう。しかしランドローバーはあえてその手法をとらなかった。レンジローバーの下にあるのがディスカバリー、ストレートに言えばプアマンズレンジローバーというイメージを、新型ディスカバリーによって完全に払拭するのが彼らの狙いなのだ。
とはいえ、ブランドイメージ的にはまだまだレンジローバーが上だから、「どうせならレンジローバースポーツが欲しい」と考える人も多いと思う。そんななかディスカバリーの強みになりそうなのが、大柄な大人7人が無理なく乗り込める室内だ。実際にサードシートに乗り込んでみたが、スペース、乗車姿勢、シートの座り心地などからなる快適性は3列シートSUVのレベルを超えミニバン並み。2~3時間程度のドライブならストレス知らずだし、シートを畳めば最大2406Lという広大なラゲッジスペースが現れる。
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