快適な乗り心地と使いやすさが際立つ新型メルセデスBクラス。身内の存在が選択を迷わせる?
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:望月 浩彦
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:望月 浩彦
B180は1.4リッターガソリン直4ターボエンジン(最高出力136ps/5500rpm、最大トルク200Nm/1460-4000rpm)を搭載する。WLTCモードは15.0km/L。車名の3桁数字から排気量を類推できなくなって久しいが、数字が大きければ力強いという法則は生きている。180というのは昔なら1.8リッタークラスのエンジンを搭載していたということだ。活発な印象はないが、吹け上がりが軽やかでスムーズなので回して気持ちよい。
7速デュアルクラッチ・トランスミッションはダイレクト感を求めず、ショックの少ないスムーズな変速を心がける設定。回転のスムーズなエンジンとの協調がうまくいっていて、印象のよいパワートレーンに仕上がっている。単純に「最高出力136ps」と聞くと寂しいが、実用車においてカタログを彩るピークパワーの意味のなさを体現していて、十分によく走る。
が、力強いというわけではない。力強さを求める人向けには、今秋デリバリーが始まるB200dというモデルがあり、そちらは2リッターディーゼル直4ターボエンジン(同150ps/3400-4400rpm、同320Nm/1400-3200rpm)を搭載する。こちらも2リッターターボディーゼルとしては控えめなスペックだが、Aクラスに載ったこのエンジンの印象は悪くなかった。
街中を走らせて感じたのは、Aクラスとのハンドリングや乗り心地の違い。Aクラスもただ足まわりをかためた“昔風スポーティー”ではなく、しなやかに足が動いて良好な乗り心地も確保した“今風スポーティー”だが、Bクラスではより快適方向にしつけられている。早い話がよりマイルドで乗り心地がよかった。Cセグメントのハッチバックとして最良の部類に入る乗り心地を味わうことができる。人によっては、ユーティリティー性の違いはさておき、スタイリングはAクラスのほうが好きだが、乗り心地はBクラスのほうが好ましいからどうしたものか……という悩みが生じるかもしれない。どっちか選べと言われたら、私なら断然Bクラスだ。
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