新型BMW 1シリーズはFFの定義を変えるほどのダイナミック性能でライバルに挑む
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office
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まずエクステリアそしてインテリアも厳重にカムフラージュされたF40に対面する。ディテールはもちろんわからないが、プロポーションについて言えばロングノーズ・ショートデッキは継承しているものの、フロントのオーバーハングは明らかに長くなっている。しかし反対のリアのそれは極端に短く、サイドビューは明らかにダイナミックな印象を与えている。
一方、キャビンは広く、長くなっており、特にリアの空間では足元が広く、ヘッドルームにも余裕がある。コクピットはドライブに必要なインストルメント以外はカムフラージュされていたが、ドライバー正面にはデジタル化されたBMWオペレーティング・システム7.0が導入されており、ボイスおよびジェスチャー・コントロールで指示、入力が可能である。
用意されたプロトタイプは計4台で、スタンダードとスポーツ・サスペンションが装備された2台の118i(共に140馬力、7速DCT)、120d xDrive(190馬力、8速オートマチック)、そしてM135 xDrive(306馬力、8速オートマチック)である。
まずは118iのスタンダード・サスペンションでウエットコースへ出る。ここで検証できたのは今回の1シリーズに標準装備されるARBと名付けられたトラクション・コントロール・システムで、タイヤのスリップを直接エンジンに指令を出すのでこれまでのシステムに比べて10倍早いスピードで制御が始まる。これが電気自動車のi3開発で生み出され、次期1シリーズに移転された先端技術である。
BMWのスタッフは誕生したばかりの1シリーズに対して冒頭に述べたように「FFの定義を変えたシステム」と自負する。まず走り出して直ぐに分かったのはボディ剛性が非常に高く、その結果ステアフィールが非常にしっかりした感じがあり、同時にセンター位置からの切り込みも適度に軽かった。また前述した最新のトラクション制御システムARBは確かに気がつかないほど非常に短時間に起こり、その結果少しも不自然な印象を与えないので、ウエット路面でもかなりのスピードを維持してのコーナリングが可能だった。その感触は確かにこれまでのFFにはないもので、コーナリングスピードも気がつかないほど速かった。その証拠に後で分かったのだが、イン側の後輪タイヤがリフトしていたほどであった。
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