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速報・マツダ3北米モデルの最強版2.5ターボに試乗。欧州ホットハッチのライバルとしての課題とは?

排気脈動を可変させる世界初のターボ技術

パール塗装のスノーフレークホワイトに塗られた試乗車はハッチバックで、標準サイズとなる18インチのBSテュランザが装着されていた。エクステリアでノンターボモデルとのワイド化したチンスポイラー、グロスブラックに塗られたグリルやドアミラーやリアウィングである。一方、インテアにはほとんど変化は見られない。

まずは、一般道路を抜けてハイウェイを目指す。事前に2019年製178PSのマツダ3に試乗していたので、パワーの差は即座に感じられた。特に2000rpmを超えた付近からの立ち上がりは頼もしく、身体がシートに押し付けられる感覚を味わっている間もなく法定速度の70mph(およそ112km/h)に達してしまう。

さらに2000rpm付近からの追い越し加速は胸が空く感覚で、高価なVTG(可変タービン)ではないものの、主に低回転域で排気脈動を可変させ、ターボの応答性を高めた「ダイナミック・プレッシャー・ターボ(世界初の技術)」による、ターボラグを感じさせないスムースな立ち上がり実感することができた。

十分以上のパワーを感じて、このまま速度を上げてハイスピードドライブを楽しもうと思ったが、ここはドイツのアウトバーンではないことを考え、早々に一般道路へ移る。ワインディングロードでは特にフロントがしっかりと固められたスポーツシャシーとマツダ独自の技術であるGベクタリングのお陰でスムースなターンイン&ターンアウトが楽しめた。AWD(i-Active AWD)によるトラクションも確かで、砂利や濡れた落ち葉が散乱する路面でも確かなハンドリングを披露する。

サポート形状とクッションがしっかりしたシートによって身体もしっかりとホールドされるが、ちょっとがっかりしたのは低速での乗り心地で、アメリカの田舎にある荒れた舗装路を35mph(約56km/h)付近で走ると、シートの出来の良さにも関わらずかなりのハーシュを感じる。2000rpm付近の不自然に高まる低めのエグゾーストサウンドも課題で、街を通過するときにはもう少し抑えられたら良いと思った。

マツダ3 2.5ターボは確かにターボエンジンが生み出すダイナミックなパフォーマンスが魅力的だが、ブレーキの剛性感や制動力、しなやかなハンドリングという点では「ゴルフ GTI」などが属するホットハッチ勢に対してはやや力不足だと思う。DCC(ダイナミックシャーシコントロール)や7速DCT、あるいは6速マニュアルも欲しくなる。しかし、日本で発売されることになれば、コストパフォーマンスの面では魅力的なホットハッチにとなる可能性は十分にあるだろう。

取材協力:Chad Dile

※取材記者が独自に入手した非公式の情報に基づいている場合があります。

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