新型C3、「ここにいたんだ僕のエリカちゃん!」
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:小林 俊樹
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一方、走りもシトロエンらしさを残しつつ適度にモダン化。まず気づくのは乗り心地の良さで、プジョー207譲りのしっかりしたボディ剛性を感じさせつつも、シトロエンらしいソフトさを強調。独特の人への優しさは発進直後の低速域から感じるが、高速域で大きなうねりを乗り越える時にもよく分かる。若干、船のようにゆっくりと上下し、ハイドラクティブ・サスペンション付きの上級車種と似通った動きを見せる時があるのだ。
シートも、見た目の形状はフラットでストロークがあまり無さそうにも見えるが、いいクッションを使っているのだろう。お尻をしっとりと包み込み、予想以上にしっかり身体をホールドしてくれる。
ステアリングフィールは、実用車らしく軽くて正確。特に切り始め直後の、路面をナイフで切っていくかの正確さは、これまたハイドロ時代のシトロエン譲りの美点で、いわゆるスポーツカーの如く反力を楽しむようなところはないし、独特の振動遮断性能を感じるが、これはこれでユニークだし、安心して走れる。高速域でも時速80km前後から確実にステアリングが重くなり、全く問題はない。
エンジンはこれまたプジョー譲りのBMWと共同開発した1.6リッター直4・DOHCで、最高出力120psと特別パワフルではないが、動力性能的には過不足なく、昔から使い慣れた4ATとの組み合わせで変な変速グセもなく、スムーズ。ただし、この辺は若干弱点ともいえ、VW辺りならばもっと多段化して、燃費を改善してきそうなところだが、現状でも10・15モード燃費はリッター12.3kmと悪くない。高速はともかく街中で普通に走る分には、遜色ないだろう。
そして侮れないのが実用性で、よく見ると助手席前のダッシュボードや後席前のフロントシートバッグがえぐってあって、狭い室内でも乗客のヒザを入れやすくするなど、スペース取りも工夫している。事実、ラゲッジはボディ全長が短いにも関わらず、プジョー207に比べ約30リッター増しの300リッター。使い勝手は十分である。
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