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新型フォレスターの2.5Lはターボの代替にはならなそうだが食わず嫌いはもったいない

ボディは大きくなったが視界が良いので取り回ししやすい

昨年6月にフルモデルチェンジした「フォレスター」で東京から長野の雪山へ行ってきました。発表時に先代と見た目があんまり変わってないとか、ターボをなんで無くしたんだとか、それまでのフォレスターファンから熱いコメントをもらったわけですが、編集Kも先代のターボモデルはやたら速くてフラットに曲がるというSUVらしからぬ走りをするクルマという印象があり、ターボモデルの代替になるであろう2.5Lモデルの走りがどうなったのか興味津々なのであります。

試乗車は2.5L 水平対向4気筒エンジンを搭載する「X-ブレイク」で、タイヤはブリヂストンのスタッドレスタイヤ「ブリザック VRX2」を装着。エクステリアにはレッドオレンジのアクセントがフロントロア、サイドロア、ルーフレールなどに入り、ホイールはガンメタリックに塗られています。インテリアにもステアリングやシフトブーツにレッドオレンジのステッチが入り、シートヒーターや撥水カーゴプレートなどが標準装備となっています。

車内は先代と比較して広く感じられ、特に横方向と後席の開放感がアップしています。これにはボディサイズの拡大と30mm延長されたホイールベースが効いているわけですが、ではボディサイズが大きく変わったのかといえばそこまででもなく、先代の全長4595×全幅1795×全高1715mmに対して全長4625×全幅1815×全高1730mmと数値的には微妙に大きくなった程度なので、うまくパッケージングされていると感じます。また運転席からボンネットはしっかり見えるし全体的にグラスエリアが広いので視界がよく、大きさを感じつつも取り回しはしやすかったです。

それまでの「フォレスターらしさ」は弱まったが…

気になる走り。まずはドライ路面ですが、アクセルを強めに踏み込むとなかなかパワフルな加速感があります。もちろんターボのような強烈な力強さはありませんが、高速道路などでの追加加速は十分以上のパワーを感じることが出来ました。直進安定性は座りが良くしっかりしていて、乗り味は硬すぎない当たりの丸いもの。コーナーではロール控えめにオンザレールコントロールが可能で運転も楽しめます。ただ、スタッドレスタイヤの影響があるとはいえ、ステアリングセンター付近の手応えは気持ちユルく感じられました。

雪上ではフルタイム4WDの本領が発揮され、安定性だけでなくコントロール性も高く、クルマが滑り出しても安心して走ることができ、このあたりはさすがスバルといったところでしょうか。

まとめますと、ボディデザインは先代のイメージを踏襲したキープコンセプト、走行性能は2.5Lエンジンは先代のターボエンジンほどではないですが力強い走行が可能で、乗り味はややおおらかになった感あり。居住空間が広くなり快適性が向上したといった具合で、先代ターボモデルと比較すると「SUVらしくなった」ように感じました。北米では月販1万6000台とバカ売れで、完全にスバルの屋台骨となったフォレスターが、速さよりもSUVらしさが求められるアメリカの好みに変化していくのはやむを得ないのかもしれません。それまでの「SUVの風貌なのにドカーンと速い」というフォレスターはそこにはいませんが、運転の楽しさもあるので、食わず嫌いせずに一度試乗してみてることをおすすめします。

今回の総走行距離は690kmで、高速が8割、一般道が2割(そのうち雪上1割)。トータル燃費は13.3km/Lでした。

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