世界1250台限定「ポルシェ ボクスター」の25周年モデルに乗って、日本車とポルシェの歴史トリビアも思い出した
掲載 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 49
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そして25周年を迎えた今年、記念モデル「ボクスター25イヤーズ」が誕生した。ベースになっているのは400PSの4リッター6気筒エンジンを搭載する「GTS 4.0」で、6速MTあるいは7速PDKのトランスミッションを組み合わせ、トップスピードは293km/h、0-100km/hは4秒で加速する。
この記念モデルは豊富な装備が標準となっているが、ボディカラーはシルバー、ブラック、ホワイトの3色から選ぶことができ、スタンダードでは赤いキャンバストップとボルドーレッドのインテリアが組み合わされる。オプションでブラックも選択できるが、いずれもソフトトップ両脇に「ボクスター25」のロゴが入る。また、93年のプロトタイプがそうだったように、ホイールセンターやアプリケーション・パーツはネオダイムと呼ばれる銅色で仕上がっている。
スポーツクロノパッケージは10mmローダウンしたスポーツシャシーとPASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネジメント)、機械式LSDを伴ったPTV(ポルシェ・トルクベクトリング)など、スポーツドライバー好みの装備が追加される。
私は初代ボクスター(タイプ986)に長く乗っていたので、25年記念モデルは特に興味があった。初代の2倍以上の出力をもったGTS 4.0ベースの限定バージョンは当然ながらダイナミック性能も安全性能も快適装備も格段の差で、オープンエアドライブを異次元のレベルで楽しませてくれる。
嬉しいのはサイズや重量の増加がミニマムに抑えられている点である。それゆえにコンパクトな軽量2シーターロードスターのもつ基本的な性格、すなわちクルマとの一体感は正しく受け継がれている。これがどんどん大型化され、自滅してしまった仲間たちと違い、ボクスターが今でも高い人気を保っている最大の理由だろう。
この25周年記念ボクスターは全世界で1250台の限定生産販売となる。日本での価格は6速MT仕様が1248万円、7速PDK仕様が1303万2000円と発表されている。どれだけの割り当てが輸入されるのかは分からないが、手元に置いて、次の25年間、ポルシェや自動車の変化を見届けるのも悪くないかも知れない。
※取材記者が独自に入手した非公式の情報に基づいている場合があります。
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