【前年比341％】トヨタ「ライズ」が2025年上半期の一番売れたSUVに…新型でもないのになぜ？ 人気の秘密を探った

トヨタ ライズ

コンパクトSUV市場の王者に返り咲いた「ライズ」の実力

ライズは2019年の登場以来、全長4m以下（3995mm）という取り回しのよさと、SUVらしいタフなデザイン、そしてリーズナブルな価格設定で人気を博してきた。

ベースとなるのはダイハツが開発した「DNGA」プラットフォームであり、1Lターボエンジンと自然吸気エンジン、そしてハイブリッド（e-SMART※イースマート）をラインアップに加えており、幅広いニーズに対応する柔軟性も魅力のひとつだ。

とくに2021年11月に追加されたハイブリッド仕様は、市街地走行において驚くほどの低燃費と静粛性を発揮し、軽快な走りと環境性能の両立に成功している。

トヨタの得意とするハイブリッドとは別系統の、ダイハツ製シリーズ式ハイブリッドである点もユニークで、1.2Lエンジンで発電し、モーターのみで走行するEV的な感覚が都市部のドライバーに高く評価されている。

また、コンパクトSUVでありながら、後席とラゲッジの広さはライバル車を凌駕するレベルにある。全高が高めに設計されていることで乗降性もよく、ファミリーユースにも最適だ。

しかもFFだけでなく4WDの選択肢もあるため、降雪地やアウトドア志向のユーザーからも強い支持を集めている。

さらに、トヨタディーラー網を通じて販売される安心感も大きい。不正問題のあったダイハツ車であっても、ライズは“トヨタブランド”として市場に出ているため、ブランドへの信頼感が落ちにくく、2025年に入ってからの販売再加速にもプラスに作用したと見られる。