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パナメーラに早くも試乗 清水和夫が助手席レポ

静粛性はレクサス並み

いよいよ本物のパナメーラに乗る機会がやってきた。と言っても今回は温和しく助手席か後席に陣取ることにした。実物はワイドで低いフォルムを持ち空飛ぶ絨毯のような雰囲気だ。ルーフから大きく張り出したフェンダーアーチは911のセクシーさを思い出す。空気抵抗係数Cd=0.29を可能とし高速ではダウンフォースも期待できるエアロボディは存在感が高い。リヤスポイラーは格納式でフラップは左右に広がるタイプ。ボディはワイドだが、実際のキャビンは絞られているので、室内はさほど大きくはない。大きく張り出したセンターコンソールの中に新開発の縦置き7速PDKが収る。後席はバケットタイプの可倒式で、後席の快適性を重視している。

後席の電動シートは頑強で軽量なシートフレームを持っており、バックレストは無段階調整。さらにランバーサポートは高さと圧力が調整できる。まるでドライバーズシートのように入念にシートを調整し、ハイスピードドライブを行った。ドライバーにはPSMのスイッチを切ってドリフト走行をお願いした。

ターボパワーは4つのタイヤを介して強烈なトラクションを発揮。加速Gと旋回Gがとにかく大きい。911カレラの後席よりも広いが、パフォーマンスは911と変わらない。同乗したクルマはすべてエア・サスであった。スポーツモードにすると車高が25ミリ低くなり、ロール剛性はぐっと高まる。重心点は470ミリとスポーツカー並の低さだ。乗り心地がよいくせにロールしない不思議な感覚であった。タイヤからのロードノイズや風切り音がとても静かで、音に関してはレクサス並という印象だ。

走り終わると体にちょっとした筋肉痛を覚えた。それほど横Gが大きかったのだ。これで後席にバケットタイプのシートを使った理由が理解できたのだ。

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