アバルト695 トリブート フェラーリ 日本で試乗
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:小林 俊樹
エクステリアではフェラーリのホイールをヒントにデザインされた専用の17インチアルミホイールを始め、マニエッティマレリのバイキセノンヘッドラップ、カーボン素材が与えられたサイドミラー、そしてエグゾーストシステム「レコードモンツァ」といったパーツが惜しげもなく使われる。
インテリアではカーボン製となるフレームにブラックレザーを組み合わせた「アバルトコルサ by サベルト」を採用した他、トリコロールデザインのアクセントをあしらった専用ステアリング、フェラーリと同じイェーガー製のメーターパネル、ペダルにはスコルピオーネのロゴが入り、専用のキックプレート、シリアルナンバープレートなど細かなところにまで手が入っている。
180psにまで高められたエンジンには5速シーケンシャルのトランスミッション「アバルト・コンペティツィオーネ」を採用し、17インチタイヤは専用のサスペンションによって地面へ押し付けられる。ブレーキはブレンボの赤キャリパー…と、これでもかの強化パーツが揃い踏みだ。ならば走りはさぞかし硬派か…と想像するが、この辺りがまさに魔法で、走らせると良い意味で裏切られる。
この見た目だとハードな乗り味を想像するわけだが、確かに街乗りだとアバルト500よりは若干ハードかなと思える。しかしそれでいながらもサスペンションの伸び縮みが絶妙で、1クラス上のスポーツカーのような振る舞いを見せる。そしてこの辺りに、単に固めただけじゃなく質の高さを感じる。いかにもお金がかかっているチューニングなのだろうなと思えるわけだ。
180psを発生する1.4Lターボは2ペダルとの組み合わせゆえ扱いづらさは微塵もなく、シングルクラッチの自動MTのデメリットもさほど感じない。25.5kgmの最大トルクゆえ普段乗りからトルクがあり、踏めばいとも簡単に前輪がホイールスピンするほどの力を発揮する。近頃はなかなか踏み込めないけれど、それでも高速の合流などでは感心するほど鋭い加速を見せつけてくれる。
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