日産GT-Rニスモ2020年モデルは2018オーナーが泣いて悔しがる完成度に達したが、それゆえに哀愁も漂う
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:日産自動車
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:日産自動車
最後にこれだけの性能を達成した技術背景を見ていこう。
2020年モデルの基軸は軽量化だ。2018年モデルもトランクリッドや空力アイテムはカーボンだが、ボンネットで2kg、ルーフで4kg、フロントフェンダーで4.5kgのカーボン化による軽量化を果たし、その他も合わせ合計13.3kgのバネ上重量を削った。さらに新ホイールでバネ下重量も合計16.4kg削っている。
軽量化でダンパーに余裕ができて接地性が高まり、旋回速度が上がり、旋回速度に耐えられる剛性のタイヤも新設計された。カーボンセラミックブレーキも新設計で、キャリパー容量が大きくなり、ローターは大径化されただけでなく冷間時の発熱を促進できる新素材を採用。高温度域側の性能が追求できるようになり、減速ピークGも高まるといった好循環が生まれているのだ。
「GT-R ニスモ GT3」で鍛え上げたターボタービンは、効率を落とさずブレード枚数を11枚から10枚に減らし、14.5%の軽量化と24%の慣性モーメントを削減。試乗でも頻繁に感じたレスポンス向上に繋がっているという。
開発責任者の田村氏は「“使い切れる600ps”が大事。トータルバランスや感性を鍛え上げるのがGT-Rの名にふさわしい進化」と言う。これだけスペック表に書けない要素にお金を掛けてきたモデルが、今まで国産車にあっただろうかとも思った。
最後に、GT-R専用のシャシーは12年経った今も世界の最新ハイパフォーマンスモデルと十分過ぎるレベルで戦えている。ニスモ2020年モデルは2000万円台中盤(※2420万円、10%の消費税込み、※編集調べ)という非現実的な価格になると予想されるが、ライバル勢と比べても、まだ若干のコストパフォーマンスの良さは魅力として挙げられるだろう。一方で、トランスミッションが未だに6速で高速巡航時に低回転ドライブができない、高度運転支援システムが付かないなど、12年という年齢を意識せざるを得ない状況にもなっている。
ハイパフォーマンス専用量産モデルの存続が難しい時代になるとも言われているが、日産には是非、GT-Rの進化の継続をお願いしたい。
ログインしてコメントを書く
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
《先取り大研究》トヨタ・ランドクルーザーFJ
メルセデスAMG「CLA」最終モデル。ブラック×イエローの専用デザインが光る特別仕様
名建築が連なる「新井旅館」で湯と和の美に浸る【心を満たす温泉宿24選】
ホンダ「ステップワゴン」快適装備がさらに充実!家族にうれしい30周年記念モデル
新型「RAV4」“アーバン”と“ラギッド”。モデリスタが魅せる2つのカスタムスタイル
ランクル盗難に新対策! KINTOが“後付けセキュリティシステム”提供開始
三菱「デリカD:5」待ってましたの大幅改良! アウトドア派の気分高めるニューフェイス
右肩上がりのデリカD:5が改良新型でさらに魅力アップ!
日産「セレナ」オーテックモデルもマイチェン! 収納性特化モデルをラインナップ追加
最高出力1360ps!? メルセデスベンツ コンセプトAMG GT XXがモンスターマシンすぎる件
日野、北海道・東北・関東の直営販社5社を台湾の和泰汽車に売却
スズキ新型「コンパクトSUV」まもなく発売に反響殺到! 「“87万円オトク”なら購入検討したい」「内装が想像以上に豪華」「四駆だし雪道で強そう」の声も! 装備充実の「eビターラ」最高級モデルに注目!
【最上級ベースで黒仕立て】三菱「アウトランダーPHEV」に“ブラックエディション”新登場。専用レザー&内外装ブラック統一で存在感アップ
「ステップワゴン」が“30周年特別仕様車”を追加で攻勢。シートヒーター&全方位カメラ追加で、同日発表のマイチェン版「セレナ」と“真っ向勝負”の構図に
【正式価格と発売日確定】三菱新型「デリカD:5」大幅改良モデルが1月9日登場。液晶メーター&S-AWC搭載で“タフギアミニバン”が次のレベルへ
【実は中身がかなり進化】新型日産「セレナ」マイナーチェンジで何が変わった? デザイン刷新×グーグル搭載×新グレード追加の全貌
先行開発から10年、レース挑戦から5年で到達した「水素が当たり前の光景」。なぜTGRは“超電導”という未知の世界に挑むのか
改良後すぐ受注停止の「ノア/ヴォクシー」…現在は「ノアのガソリン車」のみ。買えない現状にユーザーは“お怒りモード”?
絶好調すぎて受注停止の「ヤリスクロス」。26年2月の改良では10.5インチディスプレイ採用で10万円ほど値上げ【販売店情報】
【軽なのに300万円超え…なぜ売れる?】デリカミニ上級グレードが「普通車ユーザー」に刺さる本当の理由
【誤解】トランプ大統領が「小型車の生産承認」を指示。それでも“軽自動車”の米国進出あり得ないと言える訳
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!