コンフォート志向のTSIに 新ゴルフ&パサート試乗
掲載 更新 carview! 文:生方 聡/写真:中野 英幸
掲載 更新 carview! 文:生方 聡/写真:中野 英幸
まずはゴルフGLiの跡を継ぐゴルフTSIコンフォートラインから。個人的にはこのモデルの登場を心待ちにしていた。というのも、私は以前ゴルフGLiを所有していたことがあり、ゴルフの優れたパッケージングに加え、ゴルフGLiが持つ快適な乗り心地と軽快なハンドリングに心底惚れ込んでいたからだ。
TSIブームの火付け役になったゴルフGT TSIは、充実の装備やスポーティなキャラクターが後押しして、その導入以来、ゴルフの販売の約3割を占める人気モデルになった。ただ、17インチタイヤやスポーツサスペンションの採用などにより、乗り心地に不満があったのも事実。その点、ゴルフGLiの後継モデルたるゴルフTSIコンフォートラインなら、ゴルフ本来の快適さを堪能できるのではないかと、元オーナーとしては期待していたのだ。
果たしてゴルフTSIコンフォートラインは期待を裏切らなかった。ノーマルサスペンションと195/65R15タイヤがもたらす乗り心地は、ゴルフGLi譲りのマイルドなもので、落ち着いた挙動や、バネ下の動きを抑えたマナーの良さはゴルフ随一。それでいて軽快感あふれるハンドリングを兼ね備えるのも魅力である。
エンジンは140psの1.4リッターツインチャージャーが搭載される。ハイパワー版とは30psの差があり、確かに5000rpmを超えたあたりからの伸びは一歩及ばないが、一方、実用域の低中回転ではハイパワー版に見劣りしない逞しさを見せてくれる。マニュアルトランスミッションを進化させたDSGは、発進やシフトの動きにさらに磨きがかかり、十分満足のいく仕上がりに。従来の2リッターに比べると加速時のノイズが大きいのが玉にキズだが、全体としてはゴルフGLiを凌ぐばかりか、バランスではゴルフGT TSIを上回るモデルに仕上がったと断言できる。
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