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第3世代のパンダ登場 チンクとどっちを選ぶ?

独特のfun to driveは健在

さて、チンクエチェントより大きいボディと875ccツインエアエンジン+デュアロジックとの相性はどうか。日本仕様パンダの車重は1070kgと、同エンジンの500 Popより60kg、Loungeと比べるとたった30kg重いにすぎない。ちなみに同エンジンを積んだパンダIIIのヨーロッパ仕様は、0-100km/h加速11.2秒、最高速177km/hという、立派な性能数値が公表されている。したがって、東京から首都高を辿って横浜までハイペースで往復した試乗では、1人乗りだったこともあって、特にパワーに不足を感じる場面はなかった。

だがその一方で、市街地の発進停止では、ちょっとだけ不満があった。START&STOPなるアイドリングストップシステムのエンジン再始動の反応が期待するよりやや遅く、掛かった途端に慌ててスロットルを踏み込むとスタートが若干ギクシャクすることがあったのだ。ただし、そのアイドリングプラスの極低回転域をすぎてしまえば、ツインエアエンジンは有効なトルクを捻り出して、パンダのボディをズトトトトッと気持ちよく加速させていく。500ツインエアに感じるのと同じ、独特のfun to driveは健在なのである。

フロントがストラット、リアがトーションビーム式のサスペンションは、硬すぎず柔らかすぎずの設定で、フラット感はやや希薄ではあるものの、適正な乗り心地を提供してくれる。ただし、標準装着の185/55R15タイヤは若干オーバーサイズな印象で、特に首都高の舗装の継ぎ目を越える際などに、ややバネ下の重い感触をフロアに伝えてくる。だがその反面、このタイヤはコーナリングの安心感には寄与しているから、判定は難しいところだ。ヨーロッパ仕様には175/65R14という選択肢もあるので、これに替えると乗り心地とハンドリングのバランスがどうなるか、個人的には大いに興味深いところだが。

さてこのPanda Eazy、日本でのプライスは208万円と発表された。同様のカテゴリーで150万円を切るドイツ車もあるから、熱烈なフィアットファン以外にも販路を求めるのであれば、せめて200の大台は切って欲しいというのが正直な印象だった。

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