BMW「ノイエ・クラッセ」はNVIDIAの技術と4モーターで異次元のパワーと走りを実現する重要モデルだった
掲載 carview! 文:木村 好宏 1
掲載 carview! 文:木村 好宏 1
やがてスキッドパッドへ到着するとドライバーはコンフォートとドリフトの2つのドライブモードからドリフトを選び、ドライブペダルを踏みこむとまるでラリーカーが氷上で行うような4輪ドリフトが始まった。
そして再びコースへ戻ったのだが、この一連の動きを制御するのは新たに搭載された「ハート・オブ・ジョイ」と呼ばれるコンピューターで、基本的にはドライブトレインとドライビングダイナミクスを1つのユニットに収め、駆動と減速、ステアリング&シャシーシステムなどを制御する。
簡単に言えばアジャイルでありながらエフィシエントを約束するわけだ。
さらに3基のECUにはインフォテイメントやレベル2++(NVIDIAが提唱、レベル2では最も高度で、レベル3未満)までの自動運転などすべてのスレッドが集まり、従来よりも10倍の高速度で相互コミュニケーションを正確なものにすると言われる。
一方、搭載されている電気駆動システムは最新の6世代目で、エレクトリックアーキテクチャーは800V、10分の充電時間でおよそ300kmの航続距離を可能にする。
視覚的に非常に面白かったのは車両のダイナミックな動きに呼応して様々なカラーに点灯するホイールである。このビジョン・ドライビング・エクスペリエンス・ホイールは加速時には緑色、通常のブレーキング時にはオレンジ色、さらに回生ブレーキング時には青色に変化する。
非常にショー的な効果を持った機能で、果たしてこれが量産モデルに採用されるかどうかは分からない。今年の暮れと予想されているノイエ・クラッセは今回、同乗が許されたようなセダンではなくてクロスオーバーSUV「ノイエ・クラッセ X」になると予想されている。
>>ノイエ・クラッセやビジョン・ドライビング・エクスペリエンスの写真を見る
このプロトタイプの同乗試乗を通じて得た強烈な印象は、BMWがこれまでICEの世界で主導的エキスパートであった様にBEVにおいても同じような役割を果たすだろうという確信だった。しかし、このプロトタイプのようなスタイルの“超高性能EVセダン”すなわち未来の「M3」を期待してしまうのは私だけだろうか?
(終わり)
(写真:キムラオフィス、BMW)
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