吉田匠×新ボクスター&理想のボクスター論
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:ポルシェジャパン
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ところで、初代ボクスター=タイプ986が1996年に出現して今年でもう13年、2代目のタイプ987が登場してからでも今年で5年になる。その間に986が16.5万台、987も現在までにすでに10万台以上が販売されている。となると、そう遠くない将来にまったくの新型がデビューしてもおかしくない時期にさしかかりつつあるわけで、ここでは次期ボクスターに対する僕の希望、もしくは欲求についてひとこと書いておきたい。
これまでのボクスターが市場で成功した要因に、水冷911とボディの前半分を共用化することで、開発および生産のコストを低減することができたことがあげられる。それによってポルシェは、90年代前半の危機的状況から見事な復活を果たすことができたわけだが、しかしその反面ボクスターは、そのコンセプトモデルを見てスポーツカー好きの多くが期待した姿よりもボディが明らかに大きくなってしまった。ボクスターはとてもいいクルマだが、自分の好みとしてはボディがもっと小さい方がいい、というスポーツカーフリーク、多いのではないだろうか。もちろん僕自身もその一人だ。
ところで、今後登場するであろうブランニューボクスターも、911とボディを部分的に共用化する必要があるのだろうか。もしもその必要がないとしたら、911より一回り小さいボディを与えて欲しい、というのが僕の最大の希望だ。さらに、ポルシェの開発陣にもうひとつ難題を与えれば、そのようにボディをコンパクト化しつつ、僕がこれまでのボクスターで実用上最大の弱点だと認識してきた、2人乗ったコクピットに脱いだコートやブリーフケースの置き場がないことを、改善して欲しい。つまり、シートとエンジンルームのあいだに奥行き10cmでいいから、小物を置ける空間を確保して欲しいのである。
以上はあくまで、現行型と基本的に同様のフラット6を搭載することが前提の話だが、敢えてそれらを無視して僕の本音の希望を書かせてもらえれば、ポルシェの名を持った最初のクルマである356ナンバー1ロードスターや、レーシングモデルの550スパイダーのようにフラット4エンジンをミドシップに収めた、最大でマツダ・ロードスター程度のボディサイズのオープンスポーツが欲しい。もちろんボクスターとは別シリーズでね。
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