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新型フリードのガソリン仕様に試乗。ハイブリッドとの40万円差をどう考える?

楽しさより疲れにくさ

Dレンジに入れて走り出す。1.5リッター直4エンジンは、最高出力131ps/6600rpm、最大トルク15.8kgm/4600rpm。1350kgの車重に対しては控えめなスペックだが、CVTのギアリングがワイドなので、発進がかったるいわけではなく、巡航時にエンジン回転が高止まりするわけでもない。ただし、力強く加速させるとエンジン音がうるさく、こういう場面では加速の大部分をモーターが受け持つハイブリッド仕様がうらやましくなる。動力性能面で不満を抱くことはなかったが、あとから何かを思い出すことができるようなパワートレーンでもなかった。ちなみに、ハイブリッドのほうが加速性能が高いというわけではないようだ。

見た目とは裏腹に、キビキビとした挙動を見せてくれる。新型は先代よりも8mm低重心で、スタビライザーの剛性をアップさせ、ロールを低減したという。ステアリングもけっこうクイックなので、走らせて楽しい。なんとなく走りが気持ちいいのはなぜかと尋ねると、開発責任者の田辺正LPLは「リアサスをボディに締結するポイントを3点から5点に増やすなどして剛性アップしたからでしょう」と教えてくれた。各部署にコストを切り詰めさせた代わりにリアサスにコストをかけ、楽しさより疲れにくさを目指したという。確かにハンドリングがスポーティーというのではなく、いいクルマに乗っている感じがする挙動で、非常に好ましい。

ボディ剛性が高いのだろう、道路の不整部分や段差を通過する際にブルッと震えるようなことはなかった。この価格帯で、かつ剛性確保に不利なワンボックスタイプでこの剛性感は立派。高剛性ボディとソフトな足まわりの組み合わせによって、乗り心地はシーンを問わず不満なし。185/65R15といういたずらに見た目の迫力を追求しない地味なタイヤサイズも、この乗り心地に貢献しているはずだ。

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