色気増したボルボC70 内外装＆走りの評価！

ライバルとの差なんて気にならない

試乗日は天気が悪かったこともありトップを閉じた状態で走り出して、まず感じたのは「こんなに気持ち良く曲がるクルマだったっけ？」ということ。いたずらにシャープなわけでは決して無い。しかしステアリングを切った通りに滑らかに向きが変わっていく様は、上質で気分が良い。

最高出力の向上したエンジンも、やはりレスポンスは穏やかな部類なのだが、低回転域から実用的なトルクを発生する特性ゆえに不都合は無い。無闇に踏む気にさせないのが良い感じだ。5速ATにはマニュアルモードもあるが、Dレンジで十分満足できる。

隙を見てトップを開けてみると、ボディの剛性感はそれなりに低下して、スカットル、フロアが微妙に振動するのも感じられる。ジャーマンブランドのカブリオレと較べれば、あるいはこの辺りが差と言えるのかもしれないが、個人的には「だから何？」という感じ。不思議とC70をオープンにして走らせていると、そんなことにこだわる気分はどんどん薄れていってしまう。

それは風の巻き込み具合いがよくコントロールされているおかげでもある。風が入り込まないわけではないが、後方から内側への巻き込みがよく抑えられているようで、速度を上げていっても息苦しくなったり髪がかき乱されたりはしないで済む。これなら不格好なウインドディフレクターは降ろして家に置いておいていい。

そうなれば、後席も遠慮無く誰かを招き入れられる。決して広々としてはいないが、背もたれも立ち過ぎておらず、一旦収まってしまえば、特にオープンにしていれば居心地は意外や悪くない。荷物もオープン時ですら200リッターまで入るし、これなら4人で出掛けるのも非現実的ではないだろう。

敢えて不満を言えば、トップの開閉に時間がかかることだろうか。30秒少し手前という時間は、間隔の短い信号だと間に合わないこともあるので用心を。