新型RAV4に感じた自由さはこれまでのトヨタ車にはないものだった
掲載 更新 carview! 文:伊藤 梓/写真:編集部
掲載 更新 carview! 文:伊藤 梓/写真:編集部
これまでの、特に最近のトヨタのクルマは、燃費が良くて、細かいところに気が利いていて、便利で快適。マイナス点がほとんど見つからない優等生なクルマが多かった。一方ですべてが平均的に良い代わりに、特別な個性やわくわくするようなクルマがあまりなかったのも事実だろう。そのある意味で”隅々まで行き届きすぎた神経質さ”みたいなものが、どこかで乗る人たちを縛り付けていた気がしていた。
それがRAV4では解放されている。もちろんトヨタのクルマらしくきちんと作り込まれてはいるが、そこからフッとひと呼吸抜いたような、堅苦しくジャケットを羽織るのをやめたような…。RAV4にはそんな自由さを感じた。
今の世の中は、とにかく縛られることばかりだ。些細なことで訴えられたり、ネットでは見ず知らずの人たちに叩かれたり、その割にすぐさま忘れられていく…。そういったことに疲弊している人たちは、本当の自由や幸せというものをそろそろ見つけ出そうとする頃なのではないだろうか。RAV4に乗って、今まではおそらく自らを縛っていたであろうトヨタがその紐をゆるめて新たに歩もうとしている姿を感じて、そんな時代にすこし勇気をくれるような気がした。
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伊藤 梓(いとう あずさ):ライター
クルマ好きが高じて、グラフィックデザイナーという異業種から自動車雑誌の編集者へと転身。2018年からクルマの魅力をより広く伝えるために独立。自動車関連のライターのほか、イラストレーターとしても活動している。
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